ドル円 基本はレンジ継続、ただ要人発言には要注意(1/25夕)

週明け25日の東京市場は「行って来い」。一時ドル高に振れるも、小反落に転じると、元のレベルへと押し戻されている。

ドル円 基本はレンジ継続、ただ要人発言には要注意(1/25夕)

基本はレンジ継続、ただ要人発言には要注意

〇ドル円、日中高値103.90と小幅に上昇するも103.65-70まで下落、103.70-75で推移し欧米時間迎える
〇バイデン氏、欧州各国との電話会談で関係修復をはかる
〇世界経済フォーラム「ダボスアジェンダ」を警戒、本日は中国の習国家主席の講演
〇本日は12月シカゴ連銀全米活動指数や1月ダラス連銀製造業活動指数が発表
〇米財務省による2年債入札も実施される見込み
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.30-104.10

<< 東京市場の動き >>

週明け25日の東京市場は「行って来い」。一時ドル高に振れるも、小反落に転じると、元のレベルへと押し戻されている。

前週末には、バイデン新大統領をはじめ、20日に発足した米国の新政権の閣僚らによる外国高官との電話会談が相次ぎ話題に。また、新型コロナウイルスの感染者が「米国だけで2500万人を超えた」ことが明らかになり、懸念の声が広がっていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は103.70-75円で寄り付いたのち、日中高値である103.90円レベルへと小幅に上昇。日経平均など株価が大きく上昇したうえ、ゴトー日ということで仲値不足などの需給要因も一部で取り沙汰されていた。しかし、高値を付けたあとは一転して下値を探る展開に。寄り付きレベルを下回る103.65-70円まで下落したのち低位揉み合いをたどると、16時現在では103.70-75円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「バイデン新米政権の動き」と「米中関係」について。
前者は、バイデン新大統領ならびに、20日に発足した米国の新政権の閣僚らが相次ぎ外国高官らと電話会談に臨んだことが話題なっていた。ちなみに、バイデン氏はカナダのトルドー首相や英国のジョンソン首相、フランスのマクロン大統領などと電話で協議。また、オースティン国防長官は岸防衛相と会談したほか、国家安全保障担当のサリバン大統領補佐官も日本やフランス、ドイツ、英国の当局者らと電話会談を行ったという。日本などはともかく、欧州に対してはトランプ政権下で若干の亀裂が見え隠れしただけに、一連の電話会談により関係修復を急いでいる感も否めない。

対して後者は、有力欧米紙WSJが「中国は外交担当トップを派遣してバイデン米大統領の側近らとの高官級会合にこぎつけ、首脳会談を実現させたい考え」と報じ、思惑を呼ぶも、そののち在米中国大使館が「報道は事実ではない。中国側がそうした書簡を書いたことはない」などと完全否定。そうしたなか、「中国軍機、台湾の防空識別圏に連日侵入」したことが明らかとなり、それを受けて米国務省報道官から「台湾に対する軍事、外交、経済的な圧力を停止するよう中国に求める」との声明が聞かれていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は上下動こそそれなりに観測されているものの、飽くまでレンジ内。103円台を中心とした1円強の取り引きがすでに2週間以上も続いている。また、期間をさらに狭めれば取引レンジはさらに狭く1円にも満たない。目先はそんなレンジ取引がいま少し続くとの見方が有力ながら、今週は注目材料が少なくないだけに、レンジ放れにともなう次の方向性構築を期待する声も多く聞かれていた。

そうしたなか、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計で「米国だけで感染者2500万人超」、世界全体では「1億人」の大台も視野に入ってきた「新型コロナとワクチン接種」に関するニュースには引き続き要注意。また、それとは別にオンライン方式で実施される世界経済フォーラム「ダボスアジェンダ」を警戒する向きも少なくない。ちなみに、本日は中国の習国家主席の講演が予定されており、どんなコメントを発するのか注視している向きも多かった。

テクニカルに見た場合、本日の東京を含めドル/円は103円を中心とした往来相場。価格変動がまったくないわけではないものの、レンジからなかなか脱却できない状況が続いている。予断は許さないが、このあともザックリ言って103.30-104.10円、先週形成したレンジ内にはとどまりそうとの見方が有力だ。
なお、仮にブレークする場合、上方向に抜けた方が驚きで、影響力も大きいとの指摘が囁かれていた。

材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種など」、「バイデン次期米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、12月のシカゴ連銀全米活動指数や1月のダラス連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による2年債入札も実施される見込みだ。そのほか、先でも取り上げた「ダボスアジェンダ」にも一応要注意。中国国家主席以外にも、多くの要人が講演を実施する予定とされている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.30-104.10円。前週末NY高値に近い本日東京で記録した103.90円レベルが最初の抵抗に。超えれば前回高値104.08円などがターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、103円半ばが弱いサポートとなっているが、しっかりしたレベルとなると先週安値の103.33円か。下回った場合には103円割れが視界内に入りそうだ。

基本はレンジ継続、ただ要人発言には要注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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