ドル円はもみあいも上値は重い(週報1月第4週)

先週のドル円は、週間レンジが103.33〜104.08と75銭に留まり、104円台の売りと103円台前半の買いに挟まれてもみあいの一週間となりました。

ドル円はもみあいも上値は重い(週報1月第4週)

ドル円はもみあいも上値は重い

〇ドル円、週間レンジが103.33〜104.08、104円台の売りと103円台前半の買いに挟まれてもみ合い
〇FOMCはややハト派寄りの構成になることや、パウエル議長の発言から緩和策継続が濃厚
〇バイデン政権による追加経済対策、議案審議の行方次第ではドル売りに繋がる可能性
〇テクニカル的に見ると、104.35の強いレジスタンスを抜けない限り長期的なドル安・円高トレンドに
〇今週は103.10レベルをサポートに104.10レベルをレジスタンスとする流れ

今週の週間見通し

先週のドル円は、週間レンジが103.33〜104.08と75銭に留まり、104円台の売りと103円台前半の買いに挟まれてもみあいの一週間となりました。材料的には日銀会合といった金融政策イベントもあったもののサプライズは無く無風通過。株式市場も底堅かったものの前週高値をトライする動きもなく材料不足の一週間といった感じでした。

今週も経済指標やFOMCと材料はあるもののFOMCも現状維持と現状では相場材料とはしにくい状況です。ただ、今回のFOMCが2021年の投票権を持つメンバーとなり昨年よりもややハト派寄りとなること、また最近までのパウエル議長の発言を見ていると、早期の緩和縮小には否定的なスタンスを明確にしていることから、FOMC後の会見でも改めて超緩和の長期化を繰り返すと考えられます。

その場合、債券市場では長期金利の低下、株式市場は底堅い動きとなりそうですが、為替市場は米金利の動きに追随すればドル安となりそうですし、株式市場のリスクオンの動きに追随すれば円安となりそうですから、どちらに動くのかは悩ましいところです。ただ、今週も上がれば売りが出て下がれば買いが出るという流れには変化は無さそうですから、長期的なトレンドを考慮するとドル高局面にカウンターでドル売りから入るというスタンスの方がよさそうです。

他にはバイデン政権はスタートしたものの、コロナ対策財政支出がどうなるか。これは上院ではフィリバスターという制度もあり60議席を超えないと与党単独では決められない議案に相当するため、共和党の協力が無いとすんなりとは決まりません。しばらくは新政権のお手並み拝見というところではあるものの、議事進行次第ではドル売りに繋がる可能性がありそうです。

そして、これは相場の材料とはならなそうですが、今週はダボス会議がオンラインで開催されるため、何らかの世界経済に影響するような話が出てくると、大きな材料が無い中で市場参加者が飛びつく可能性もあり、念の為注意でしょうか。

それ以上に、個人的にはテクニカルな要因が重要であると考えていますので、日足チャートをご覧ください。

長期的には依然として昨年7月高値からのレジスタンスライン(ピンクの太線)が強力で現時点では既に104.35レベルを下降中で、1月高値以降も同ラインには近づくことも出来ずに高値を切り下げる動きが続いています。短期的には1月高値からの下降チャンネル(青の平行線)を想定することができ、仮にレジスタンスラインを上抜けたとしても104.35の強いレジスタンスを抜けない限りは長期的なドル安・円高トレンドを見てよいでしょう。

下値も底堅いものの先週のザラバダブルボトムとなった103.33レベルは1月の安値と高値との61.8%押しにほぼ重なり、次回同水準を下抜ければ78.6%(61.8%の平方根)押しの103円水準が視野に入ってきます。今週は下方向にやや余裕あるレンジを考え、103.10レベルをサポートに104.10レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

ドル円(日足)チャート

ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2021年FOMCメンバー(ニューヨーク、シカゴ、リッチモンド、アトランタ、サンフランシスコ)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。

1月25日(月)
17:45 ラガルドECB総裁講演
18:00 ドイツ1月ifo企業景況感
22:45 レーンECB理事講演
**:** ダボス会議(〜29日)

1月26日(火)
**:** 豪州市場休場
08:50 日銀会合(12月)議事要旨公表
16:00 英国12月失業率
23:00 米国11月住宅価格
23:00 米国11月ケースシラー住宅価格
24:00 米国1月消費者信頼感
24:00 米国1月リッチモンド連銀製造業景況指数
**:** FOMC(〜27日)

1月27日(水)
09:30 豪州10〜12月期CPI
09:30 豪州12月企業景況感
16:00 ドイツ2月GFK消費者信頼感
16:45 フランス1月消費者信頼感
22:30 米国12月耐久財受注
24:00 レーンECB理事講演
24:30 週間原油在庫統計
28:00 FOMC結果公表
28:30 パウエルFRB議長講演
30:45 NZ12月貿易収支

1月28日(木)
09:30 豪州10〜12月期輸入物価
18:30 南ア12月PPI
19:00 ユーロ圏1月消費者信頼感
22:00 ドイツ1月CPI速報値
22:30 米国10〜12月期GDP速報値
22:30 米国新規失業保険申請数
24:00 米国12月景気先行指数
24:00 米国12月新築住宅販売
26:15 シュナーベルECB理事講演

1月29日(金)
08:30 本邦1月東京区部CPI
08:30 本邦12月失業率・有効求人倍率
08:50 日銀会合(1月)主な意見公表
09:30 豪州10〜12月期PPI
15:30 フランス10〜12月期GDP速報値
16:00 ドイツフランス10〜12月期GDP速報値
16:00 トルコ12月貿易収支

16:45 フランス12月PPI
17:55 ドイツ1月失業率
21:00 南ア12月貿易収支
22:30 米国12月個人所得・消費支出
22:30 米国10〜12月期雇用コスト
23:45 米国1月シカゴ購買部協会景気指数
24:00 米国1月ミシガン大消費者信頼感
24:00 米国12月住宅販売保留件数
27:00 (ダラス連銀総裁講演)

前週の主要レート(週間レンジ)

前週の主要レート(週間レンジ)

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

1月18日(月)
週明けのドル円は、日経平均株価の売りが先行する中で円買いの動きとなり103.68レベルまで水準を下げました。欧州市場に入り買い戻しも見られたものの上値は重く、米国市場が休場となり参加者が少ない中で103.63レベルと東京市場の安値を更新し、そのまま安値圏での引けとなりました。

1月19日(火)
ドル円は、前日とは逆に強い日経平均株価の動きとともに円売りが先行、ドル円、ユーロ円ともに東京前場に急速に円安が進みました。ドル円は104円台に乗せた後も底堅い動きを続けNY市場前場までは104円挟みの値動きとなりました。NY市場に入りユーロドルの買いとダウの下げが量なって103円台後半へと水準をやや下げたもののもみあいのまま引けました。

1月20日(水)
ドル円は、売りが先行した日経平均を見ながら売りが先行、値幅は伴わなかったものの103.71レベルの安値圏で欧州市場入り。欧州市場ではユーロ売りの動きからドル円はドル買いとなっていましたが、ユーロ円の売りも出ていたため基本的にはもみあいのままNY市場に入りました。NY市場ではユーロドルの反転とともに売りが強まり、週間安値を下回るとストップも巻き込みながら103.45レベルの安値をつけ安値圏でもみあいのまま引けました。

1月21日(木)
ドル円は、ユーロドルの買い戻しと日経平均株価の上値が重たかったことからドル売りが先行し東京後場には103.33レベルの安値をつけました。その後はユーロ買いが続く中でドル円は一進一退の展開となり、欧州市場昼過ぎに再度103.33レベルをつけたものの抜けられず、NY市場では買い戻し、そして引けにかけてはやや押してと方向感が定まらない一日となりました。

1月22日(金)
ドル円は週末を前にポジション調整によるドル買い戻しが目立ちました。前日に103.33レベルを2度つけて下げきれなかったことから東京前場から買いが先行、欧州市場序盤に前日高値を上抜けたことからドル円、クロス円ともに円売りの動きとなりNY市場では103.89レベルまで上昇後、やや押して引けました。

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