『底堅い展開が継続。トルコ中銀は引き締め姿勢の継続を示唆』
〇トルコ円EU諸国との関係改善期待とトルコ中銀のタカ派スタンス継続示唆に一時14.08まで上昇
〇テクニカルの地合い強く14.40の200日移動平均線が射程に
〇新興国含む株式市場状況、EU諸国との関係続報、トルコ経済指標等要注視
〇トルコリラ円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):13.75ー14.35
今週のレビュー(1/18−1/22)
今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初13.88円で寄り付いた後、早々に週間安値13.74円(昨年12/28以来、3週間ぶり安値圏)まで下落しました(エルドアン大統領が前週末1/15にインフレを抑制する為には政策金利を引き下げることが必要との持論を久々に示したことが背景)。しかし、一目均衡表基準線にサポートされると、@マース独外相による「トルコとEUの関係にポジティブな兆しが見られる」との発言や、Aスペインのペドロ・サンチェス首相による「対トルコ関係を強化する意向」との発言、B上記@Aを背景としたEU諸国との関係修復期待、Cトルコ中銀によるタカ派的なスタンス(※)が支援材料となり、週後半にかけて、高値14.08円まで上昇しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、結局14.00円前後での越週となっております。
※トルコ中銀は1/21に開催された金融政策決定会合で、政策金利を3会合ぶりに据え置くも(17.00%→17.00%)、声明文で金融引き締めスタンス(長期的なインフレ率の低下が見られるまで断固として金融引き締め政策を続ける)の継続を示唆。
来週の見通し(1/25−1/29)
トルコリラの対円相場は、週明け早々に約3週間ぶり安値13.74円まで反落するも、すぐに持ち直すと、週末にかけて14.08円まで反発しました。この間、一目均衡表転換線やボリンジャーミッドバンドを上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も継続するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となっております(強力なレジスタンスとして市場参加者に注目されている200日移動平均線14.40円越えが射程圏内)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@トルコ中銀による金融引き締めスタンスの継続(声明文で「長期的なインフレ低下が見られるまで断固として引き締め策を続ける」と強調)や、AEU諸国との関係修復期待など、トルコリラ買いを想起させる材料が増えつつあります(トルコに批判的なバイデン新大統領の就任が懸念材料として残っておりましたが、現時点でトルコリラ相場への影響は限定的)。
以上の通り、トルコリラ円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、更なる上昇が期待されます。新型コロナウイルスに関するヘッドラインや、新興国を含む株式市場の動向、EU諸国との関係修復に関する続報、トルコの主要経済指標の結果(1/25に発表されるトルコ1月設備稼働率や、1/29のトルコ12月貿易収支など)を睨みながらも、当方では引き続き、トルコリラ円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(上値目途は1/7に記録した高値14.30円と、200日線が走る14.40円)。
来週の予想レンジ(TRYJPY):13.75ー14.35
注:ポイント要約は編集部
トルコリラ円日足
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