トルコリラ円見通し トルコ中銀は金利据え置くも金融引き締め姿勢堅持でリラ高反応(21/1/22)

22日午前朝の東京市場開始時に若干乱高下したものの22日9時台には14.03円まで持ち直している。

トルコリラ円見通し トルコ中銀は金利据え置くも金融引き締め姿勢堅持でリラ高反応(21/1/22)

トルコリラ円見通し トルコ中銀は金利据え置くも金融引き締め姿勢堅持でリラ高反応

〇トルコリラ円、1/21中銀金融政策発表直後13.90まで下げたが反騰、14.03、14.04へと高値切り上げる
〇上昇一服から1/22未明13.95まで下げるも再び14円台を回復、9時台に14.03まで持ち直す
〇対ドル、ドル安基調を背景として1/18夕安値からの上昇基調継続、1/22午前序盤7.33へ高値切り上げる
〇トルコ中銀、金融政策会合で政策金利を17%に据え置く、必要なら追加利上げの可能性も示す
〇13.95割れ回避のうちは上昇余地あり、14.10前後への上昇を想定する。
〇13.95割れからはいったん下げに入るとみて13.80台後半への下落を想定、13.87以下は反騰注意

【概況】

トルコリラ円は1月21日20時の中銀金融政策発表直後に13.90円へいったん下げてから13.99円へ反騰、ひと呼吸置いて21時台に14.03円、22時台終盤に14.04円へと高値を切り上げた。上昇一服から22日未明に13.95円まで下げたところは再び押し目買いされて14円台を回復、22日午前朝の東京市場開始時に若干乱高下したものの22日9時台には14.03円まで持ち直している。
対ドルでのトルコリラは全般的なドル安基調も背景として1月18日夕安値7.53リラからの上昇基調を継続、中銀金融政策発表から7.34リラへ上昇、さらに22日午前序盤には7.33リラへ高値を切り上げている。

【トルコ中銀、政策金利を17%に据え置き、必要なら追加引き締めも示唆】

トルコ中銀は1月21日の金融政策会合で政策金利の週間レポレートを現状の17.00%に据え置いた。トルコ中銀は11月7日に前総裁が突然更迭され、新任のアーバル総裁は11月19日に政策金利を10.25%から15.0%へ引き上げ、12月24日にも17.00%へと2会合連続での利上げを行った。またインフレ抑制のための金融引き締め政策の継続姿勢を鮮明にしてきた。この連続利上げと新総裁の姿勢を評価してトルコリラ円は11月6日安値11.99円までの歴史的な暴落から脱却して上昇基調に入り、1月7日には全般的なドル安によるリラ高も加わって14.25円まで続伸してきた。
しかし1月15日にエルドアン大統領が高金利を批判したことで今回の会合における中銀の姿勢が改めて問われることとなったのだが、2会合連続の利上げ後のため市場予想も据え置きとみていたことで予想通りに据え置きを決定し、さらに必要なら追加利上げの可能性もあることを中銀声明で示したことで新総裁による金融引き締め姿勢が弛んでいないとして市場はリラ高反応を示した。

エルドアン大統領は「政策金利とインフレの一桁」を主張して前々総裁を更迭して前総裁は利下げを続けてきたのだが、インフレ進行により政策金利がインフレ率を下回る実質マイナス金利状態に陥ったことでリラの暴落的な下落が発生していた。エルドアン大統領にとっては利上げは気に入らないもののインフレ抑制には仕方なく、また利上げによる各種金利上昇に対する国民の批判をそらすために高金利批判を行ったのだろうと思われるが、12月の消費者物価上昇率も前年比14.6%上昇となっていることで利下げをするわけにもいかない状況だった。 2月3日には1月の消費者物価、生産者物価の発表もあるが、そこで利上げによるインフレ抑制効果がみられるかどうかにより、今後の追加利上げの可能性も取り沙汰されてくると思われる。今回は追加利上げの可能性に含みを持たせたことで市場を安堵させてリラ安への基調転換をひとまず阻止したというところか。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月18日夕安値を起点として上昇期に入っていたが、20日深夜に14.01円まで上昇したところから21日午後に13.89円までさげ、中銀政策発表から一段高となっているため、21日午後安値を起点として新たな上昇期に入ったと考える。高値形成期は20日深夜高値を基準として25日夜から27日深夜にかけての間と想定する。弱気転換は21日午後安値割れからとするが、その場合は26日午後から28日午後にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では20日深夜への上昇で先行スパンを上抜き、その後も先行スパンを上回るい状況を維持しているのでまだ上昇余地ありとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパン転落からは下落期に入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は19日夕刻高値から20日深夜高値への高値切り上げ時に指数のピークが切り下がる弱気逆行が見られたが、21日午後安値からの反騰による一段高では20日深夜高値時のピークを超えてきているので弱気逆行型から抜け出したとみて70ポイント超えを目指す上昇余地があるところと考える。50ポイント前後は買い支えられやすいとみるが、45ポイントを割り込む場合は下げ再開を疑う。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、1月22日未明安値13.95円を下値支持線、14.10円を値抵抗線とする。
(2)22日未明安値割れ回避のうちは上昇余地ありとして14.10円前後への上昇を想定する。14.10円前後は売られやすい水準とみるが、ドル全面安等で押し上げられる場合は1月8日高値14.18円試しへ上値目途を引き上げる。また22日未明安値割れ回避で週を終えれば週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)22日未明安値割れからはいったん下げに入るとみて13.80円台後半への下落を想定する。13.87円以下は反騰注意とするが、22日未明安値を割り込んだ水準での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

1月25日
 16:00 1月製造業景況感 (12月 106.8、予想 100.9)
 16:00 1月設備稼働率 (12月 75.6%、予想 75.7)
1月28日
 16:00 1月経済信頼感 (12月 86.4、予想 82.2)
 20:00 トルコ中銀金融政策会合議事要旨
 20:30 週次外貨準備高 1/22時点 (1/15時点 479億ドル)
1月29日
 16:00 12月貿易収支 (11月 -50.3億ドル)
 16:00 10−12月期観光収入 (7−9月期 40.4億ドル、予想 36.0億ドル)
 17:00 12月観光客数 前年比 (11月 -61.93%、予想 -67.0%)
2月1日
 16:00 1月イスタンブール製造業PMI (12月 50.8、予想 51.2)
2月3日
 16:00 1月消費者物価 前年同月比 (12月 14.6%、予想 13.8%)
 16:00 1月消費者物価 前月比 (12月 1.25%、予想 0.6%)
 16:00 1月生産者物価 前年同月比 (12月 25.15%、予想 24.4%)


注:ポイント要約は編集部

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