『節目7.00円回復も束の間、すぐに反落に転じる不冴えな動き』
〇南ア円国内ワクチン配布期待、新興国株高、中銀金利据え置き等に一時7.00まで上昇
〇その後国内感染拡大とロックダウン長期化懸念に反落、6.86で越週
〇南ア円7円台での売り圧力強く、テクニカルにも上昇から中立へのトレンド転換意識される
〇ファンダメンタルズも指標悪化、中銀金融緩和観測等南ア売り材料増加
〇来週は南ア国内指標に注意
〇目先は6.67に位置する「雲」下限試すか
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.65ー6.95
今週のレビュー(1/18−1/22)
今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初6.83円で寄り付いた後、早々に週間安値6.75円まで下落しました。しかし、一目均衡表転換線をバックに下げ渋ると、@南アフリカ保健省による「900万回分のワクチンが米ジョンソン・エンド・ジョンソン社から供給される」との発表や、A南アフリカに友好的なバイデン新大統領就任への期待感(株高→新興国通貨高)、B南ア12月消費者物価指数(結果3.1%、予想3.1%)が予想通りの結果に留まったことに伴う安堵感(インフレ鈍化を回避できたことで翌日の南ア中銀会合での利下げ観測が後退)、C南ア中銀の政策金利据え置き(3.50%→3.50%。市場参加者の中で一部利下げを予想する向きもあったことから、据え置き決定後に南アランドは上昇)が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値7.00円(1/5以来、約2週間ぶり高値圏)まで上昇しました。もっとも、節目7.00円をバックに伸び悩むと、D南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染拡大や、E上記Dを受けたロックダウンの長期化懸念が重石となり、結局6.86円前後まで値を崩しての越週となっております。
来週の見通し(1/25−1/29)
今週は、一時7.00円の大台(心理的節目)を回復する場面も見られましたが、すぐに反落に転じる冴えない動きとなりました(7円台での滞空時間は極めて短く、戻り売り圧力の強さを再確認)。この間、ローソク足が一目均衡表「雲」の中に突入した他、一目均衡表基準線やボリンジャーミッドバンドも下抜けするなど、テクニカル的に見て、「上昇→中立」へのトレンド転換が意識されます。ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ国内における新型コロナウイルスの深刻な感染拡大(ロックダウンの長期化懸念→南アフリカ経済の悪化リスク。今週発表された南ア11月小売売上高は大幅悪化。南アフリカの閣僚ジャクソン・ムテンブ大統領府相も新型コロナウイルスに関する合併症で死去)や、A南ア中銀の根強い追加緩和観測(次回会合での追加緩和期待)等、南アランド売りを想起させる材料が増えつつあります。
こうした中、来週は1/28に予定されている南ア12月生産者物価指数(PPI)や、1/29の南ア12月貿易収支の結果に注目が集まります。特に前者(PPI)が冴えない結果となった場合には、足元で後退している南ア中銀による追加緩和観測が再燃する可能性もあるため、来週はPPI鈍化→追加緩和観測再燃→南アフリカランド売りの波及経路に注意が必要でしょう。以上を踏まえ、当方では、南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(目先は6.67円付近に位置する一目均衡表雲下限を試すシナリオを想定。同水準を割り込めば、日足ベースで強い売りシグナルを示唆する三役逆転が点灯する為、「中立→下落」への更なるトレンド転換が意識される恐れあり)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):6.65ー6.95
注:ポイント要約は編集部
南アランド円日足
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.21
東京市場のドルは154円台後半で推移、今晩も要人発言で上下に動く可能性アリ(24/11/21)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、時間外の米10年債利回りも上げ一服となったことでドルは一時154円台を付ける場面も見られた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.21
ドル円 地政学リスクくすぶるも再びレンジの様相に(11/21夕)
東京市場は一転してドルが弱含み。とくに終盤下げ足を速めている。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2021.01.25
ランド円レポート月曜版(2021年1月25日)
先週のランドは、利下げ思惑もやや増えてはいたものの、コンセンサス通りとなるのではとの見方が広がりイベントを前にランド買いが広がりました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2021.01.18
ランド円ショートコメント(21/1/18)
実際のレンジは安値が6.64レベル、高値が6.88レベルと、ランド円は下値をトライしても抜けず、その後の戻しも弱く、と狭い値幅での取引となりました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。