米長期金利大幅上昇
米国政治を反映して長期金利が大幅上昇しています。5日のジョージア州上院決選投票で民主党が2議席を獲得したことで上院の議席数が半数の50議席となり、最後の1票の次期副大統領の票を加えると民主党が過半数となりました。これでホワイトハウス、上下院すべてを民主党が支配し、バイデン政権は政策を進めやすくなったと言えます。
つまり財政支出を拡大していくという思惑から米国債が売られ、その側面として金利上昇を招いているという動きです。長期金利の動き(10年債利回り)を週足チャートで見てみましょう。
8月以降ピンクの平行線で示した上昇チャンネルの中で着実に金利が上昇し、今週はついに1%の大台を突破、昨日には一時1.088%まで上昇しました。この水準は昨年のコロナショック後に一時的に金利が上昇して以来の水準ですが、テクニカルには2019年11月の水準と2020年3月の水準の半値戻しにあたる1.184%をターゲットとしやすいと考えられます。
この金利上昇を受けて米国株式市場では買われる銘柄、売られる銘柄と分かれているようですが、為替市場では昨日の動きを見る限り素直に米金利上昇をドル高と捉えている節があります。しかし、米国債が売られているということを考えると、単純にドル買いと言う図式はあてはまらないと見ています。
また米国の金融緩和政策を阻害する要因にもなりかねませんので1月26・27日のFOMCに向けてFRBが長期金利上昇を抑える金融政策を行うのではないかという思惑も出てきそうです。昨年に比べて2021年のFOMCメンバーは一段とハト派寄りであることを考えると、このことも素直にドル買いに反応したくないという見方に繋がります。個人的にはそろそろドルの売り場ではないかと見ていますがどうなりますでしょうか。
オーダー/ポジション状況
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