対ドルでリラ反落するもドル円の上昇でトルコリラ円は高値更新後も確り
〇トルコリラ円、1/7夕14.25まで上昇し昨年11/6以来の高値更新、深夜14.00まで下げたが14円割れ回避
〇対ドル、1/7夕7.23リラをつけ昨年11/6以降の高値を更新した後下落に転じ、深夜に7.38リラまで反落
〇対ドルでのトルコリラ上昇基調、1/7のドル全面高の様相から一服
〇1/8夜の米雇用統計を通過してドル高継続かドル安再開か、トルコリラにとっても重要局面
〇14.00以上での推移中は上昇余地あり、14.25超えからは14.30を目指すとみる
〇14.00割れからは13.80台前半への下落を想定、13.85以下は反騰注意とする
【概況】
トルコリラ円は1月7日夕刻に14.25円まで上昇、11月6日以降の高値を更新した。
12月30日に14.14円まで上昇したところから12月31日安値13.70円まで反落したものの、その後は13.90円を挟んだ持ち合いで確りしていたが、6日夜のドル高局面でも対ドルでのトルコリラ上昇が続き、ドル円が103.50円手前まで反騰したことで6日深夜には14.20円まで高値を切り上げてきた。
1月7日は米長期債利回りの上昇が続いたことでドル買いが強まり、対ドルでのトルコリラは7日夕刻高値7.23リラまで昨年11月6日以降の高値を更新したところから下落に転じて7日深夜には7.38リラまで反落した。一方でドル円が104円に迫るところまで一段高したが、トルコリラ円は対ドルでのトルコリラ安が勝ったために7日深夜には14.00円まで下げた。だが14円割れは回避、ドル買いが弛んだところからは14.10円台へ戻している。
【対ドルでのトルコリラ高一服】
NYダウが連日の上昇で史上最高値を更新する一方、株買い債券売りにより米長期債利回りが1月6日に急上昇した。米10年債利回りは1月4日時点で0.91%だったが、6日には1.05%へ急上昇し、7日も1.08%へさらに上昇した。米ジョージア州の上院議員決選投票で民主党が2議席を確保して米上下院をバイデン民主党が制したことでねじれ解消により経済対策・財政出動が拡大するとみて債券需給緩和見込みから債券売り・長期債利回り上昇となっている。
主要国による大規模金融緩和と実質ゼロ金利政策が長期化する中で株高基調が続けばリスク選好的な市場心理により為替市場ではユーロやポンド、豪ドル等が買われ、さらに新興国通貨も買われる傾向となり、昨年後半のドル安はこうした市場心理を反映してNYダウの史上最高値更新と共にユーロ等が昨年3月コロナショック以降の高値更新を続ける展開であったが、米10年債利回りが1%を超えるところまで上昇すると為替市場もこれを無視できなくなる。6日夜のドル買いが一時的なものだったが7日夜のドル買いは前日よりもスケールが大きくなった。
トルコリラは対ドルで11月6日までの史上最安値更新に歯止めがかかって上昇基調に転じてきた。11月6日に8.57リラの史上最安値を付けたところから11月19日のトルコ中銀利上げで7.48リラまで上昇、いったん材料消化で反落したものの12月11日から上昇を再開して11月19日高値を超えて12月30日には7.30リラまで上昇、1月6日のドル高局面でも上昇基調を維持していたのだが、さすがに7日はドル全面高の様相となったことや、新興国通貨でもメキシコペソが反落、変異種による感染急増問題を抱える南アランドも大幅続落したことでトルコリラも反落したという印象だ。しかし株高基調がさらに続けばリスク選好的な新興国通貨買いも回復してトルコリラが中勢の上昇基調を継続することもまだ可能ではないかと思われる。1月8日夜の米雇用統計を通過してドル高継続かドル安再開か、トルコリラにとっても重要局面と思われる。
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月4日午後高値から戻り高値の切り下がりが続いたために6日午前時点では4日午後高値を上抜き返す場合は新たな強気サイクル入りとするのを妥当とみて4日午後高値を直近のサイクルトップとし、6日夜への上昇で4日午後高値を上抜いたために7日午前時点では高値更新による新たな強気サイクル入りとして7日午後から11日午後にかけての間への上昇を想定した。7日夕刻へ一段高した後に小反落したものの再び持ち直しているのでまだ上昇余地ありとみるが、7日深夜安値14.00円を割り込む場合は弱気サイクル入りとして8日夜から12日夜にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では1月6日の上昇で遅行スパンが好転、先行スパンを上抜いた。7日深夜の反落で遅行スパンがいったん悪化したもののその後の持ち直しで再び好転している。また7日深夜の反落時は先行スパンが下値支持線として機能した。このため、先行スパンからの転落を回避するうちは遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパン転落からはいったん下落期に入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は6日深夜に80ポイント台へ急伸したが、7日夕刻への一段高では指数のピークが切り下がる弱気逆行となっているため7日夕高値を起点として下落期に入っている可能性が警戒される。さらに高値を切り上げる場合も指数のピークが切り下がりを続ければ連続的な弱気逆行としてその後に下落へ転じやすいと注意し、14円割れからは下げ再開とみて30ポイント前後への低下を伴う下落を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、14.00円を下値支持線、7日夕高値14.25円を上値抵抗線とする。
(2)14.00円以上での推移中は上昇余地ありとし、14.25円超えからは14.30円を目指すとみる。14.30円到達ではいったん売られやすいとみるが、14.10円上での推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)14.00円割れからは13.80円台前半への下落を想定する。13.85円以下は反騰注意とするが14円以下での推移が続く場合は週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な経済指標等の予定】
1月11日
16:00 10月失業率 (9月 12.7%、予想 13.0%)
16:00 11月経常収支 (10月 -2.7億ドル)
1月13日
16:00 11月鉱工業生産 前年同月比 (10月 10.2%、予想 8.4%)
16:00 11月小売売上高 前年同月比 (10月 12.0%、予想 9.5%)
16:00 11月鉱工業生産 前月比 (10月 4.2%、予想 1.8%)
1月14日
20:30 週次外貨準備高 1/8時点 (12/31時点 500.0億ドル)
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