トルコリラ円見通し 12月30日高値を上抜き11月6日以降の高値を更新(21/1/7)

ドル円が深夜から反落したことでトルコリラ円も7日朝には14.01円まで反落したものの14円台を維持して高止まりしている。

トルコリラ円見通し 12月30日高値を上抜き11月6日以降の高値を更新(21/1/7)

12月30日高値を上抜き11月6日以降の高値を更新

〇トルコリラ円、6日深夜に14.20をつけ昨年11月以来の高値更新、7日朝に反落するも14円台を維持
〇対ドルでは6日深夜に7.26リラまで上昇、12/30高値を超える
〇6日に世界銀行が世界経済見通し2021年1月版を公表、トルコは成長が見込まれる見通しに
〇14円以上の推移又は割り込んで回復するなら上向きとし14.20超えから14.30を目指すとみる
〇13.90割れから13.80台前半への下落を想定、13.85以下は反騰注意

【概況】

トルコリラ円は1月6日深夜に14.20円を付けて12月30日高値14.14円を上抜いた。昨年11月6日以降の高値更新であり、14.20円台は昨年9月11日以来となる。
1月6日はNYダウが史上最高値を更新する一方、米10年債利回りが1%台に乗せて昨年3月以来の高水準へ急上昇したため、リスク選好的なドル安と米長期債利回り上昇によるドル高が交錯する展開となり、ドル円が6日午前には102.59円まで下げていたところから6日深夜には103.44円まで急伸し、その間の対ドルでのトルコリラも上昇基調を継続したことで円安とリラ高の双方向からトルコリラ円は押し上げられた。ドル円が深夜から反落したことでトルコリラ円も7日朝には14.01円まで反落したものの14円台を維持して高止まりしている。

【対ドルでのトルコリラ高続く】

対ドルでのトルコリラは1月6日深夜に7.26リラまで上昇して12月30日高値7.30リラを超えた。深夜にかけてはドルの買い戻しでユーロやポンドが下落する局面があったものの、新興国通貨は変異種による感染急増に見舞われている南アランドを除いて概ね対ドルでの上昇基調を継続した。米ジョージア州での上院議員選挙決選投票で民主党が2議席を獲得する情勢となり米上下院のねじれが解消してバイデン政権による経済対策がスムーズになるとの見方、外交政策でもトランプ政権時代の米国第一主義が後退するとの見方から新興国への投資マインドも向上するとみてメキシコペソが1%高等と上昇した。トルコリラもその流れで上昇基調を継続した印象だ。
1月7日には豪ドル、ユーロドル等が昨年3月以降の最高値を更新しており、ドル安基調は継続という印象であり、トルコリラ円にとっても対ドルでのトルコリラ上昇継続感が押し上げ要因となっている。

【世銀のトルコ成長見通し】

新型コロナウイルスのパンデミックは続いており、変異種による感染急増への懸念が高まっているものの緊急事態宣言を前にしても日経平均が上昇、感染者累計が2000万人を超えてもNYダウは史上最高値を更新、2日続けて新規感染者が6万人を超えた英国でもFT100が大幅上昇するなど、金融市場全般はリスクオン優勢の展開を続けている。ワクチン普及の時間はかかるとしても先行きは復興へ向かい、それまでは大規模な金融緩和による過剰流動性が投機マネーと化して新興国市場へ向かうという流れのようだ。

1月6日には世界銀行が世界経済見通し2021年1月版を公表したが、2020年の世界成長は4.3%縮小したものの2021年には4%、2022年には3.8%成長すると予想した。またトルコ、中国、エジプト、バングラデシュの成長が見込まれるとし、トルコの成長見通しについては2020年を0.5%、2021年を4.5%、2022年には5%とした。歴史的暴落となっていたトルコリラも中銀総裁と財務相の交代から金融引き締めに舵を切って反騰に入り、イスタンブール株価指数も上昇の勢いを増しているため、当面のパンデミック被害による景気回復の鈍化は致し方ないとしても先行きは明るいとの見方が強まってきている印象だ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、12月31日夕安値を直近のサイクルボトムとして戻していたが、1月4日午後高値からは戻り高値の切り下がりが続いたために6日午前時点では4日午後高値を上抜き返す場合は新たな強気サイクル入りとするのを妥当とみて4日午後高値を直近のサイクルトップとした。6日夜への上昇で4日午後高値を上抜いたため、高値更新による新たな強気サイクル入りとして7日午後から11日午後にかけての間への上昇を想定する。14円割れから続落の場合は弱気転換注意とするが、新たな弱気サイクル入りは13.90円割れからとする。

60分足の一目均衡表では6日夜への上昇で遅行スパンが好転、先行スパンを大きく上抜いた。6日深夜以降は新たな高値更新へ進めずにいるので横ばいからジリ安推移なら遅行スパンは悪化しやすくなるが、先行スパンからの転落を回避するうちは一時的に遅行スパンが悪化してもその後の好転から上昇再開とみる。弱気転換は先行スパン転落からとし、その際は遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は6日深夜に80ポイント台へ急伸してから60ポイント台へ低下しているが、50ポイント以上での推移中はまだ上昇余地ありとみる。ただし相場が高値を更新する際に指数のピークが切り下がる弱気逆行発生からは下げ再開を疑う。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、13.90円を下値支持線、6日深夜高値14.20円を上値抵抗線とする。
(2)14円以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは上向きとし、14.20円超えからは14.30円を目指すとみる。14.30円到達ではいったん売られやすいとみるが、14.05円上での推移なら8日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)13.90円割れからは13.80円台前半への下落を想定する。13.85円以下は反騰注意とするが13.90円を割り込んだ後も14円以下での推移なら8日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

1月7日
 20:30 週次外貨準備高 1/1時点 (12月25日時点 516.1億ドル)
1月11日
 16:00 10月失業率 (9月 12.7%、予想 13.0%)
1月13日
 16:00 11月経常収支 (10月 -2.7億ドル)
 16:00 11月鉱工業生産 前年同月比 (10月 10.2%、予想 8.4%)
 16:00 11月小売売上高 前年同月比 (10月 12.0%、予想 9.5%)
 16:00 11月鉱工業生産 前月比 (10月 4.2%、予想 1.8%)

トルコ中銀金融政策決定会合予定 2021年


注:ポイント要約は編集部

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