トルコリラ円見通し 13.90円を挟んだ揉み合い(21/1/6)

5日朝からはトルコリラの独自材料に欠けたため13.90円を中心としてほぼ横這いの揉み合いとなっている。

トルコリラ円見通し 13.90円を挟んだ揉み合い(21/1/6)

13.90円を挟んだ揉み合い

〇トルコリラ円、4日午後に14.01まで戻し、5日朝は13.90を中心とし揉み合いに
〇12/24のトルコ中銀による2会合連続での大幅利上げと金融引き締め姿勢が好感し一段高の状況を維持
〇イスタンブール100株価指数は5日に終値ベースでは小反落も、1506.89まで上昇し過去最高値を更新
〇13.80以上で推移中は上向き、13.95超えから14.01試しとする
〇13.80割れから12/31夕安値13.70試しとみる

【概況】

トルコリラ円の1月5日は13.90円を挟んだもみ合いにとどまった。12月30日に14.14円の高値を付けて11月6日以降の高値を更新し、12月31日には年末の利益確定売りに押されて13.70円まで下げたものの13.80円割れを値頃とみて買い戻された。1月4日午後には14.01円まで戻したところからはややジリ安となったものの、13.80円台序盤では押し目買いされて確りしており、5日朝からはトルコリラの独自材料に欠けたため13.90円を中心としてほぼ横這いの揉み合いとなっている。
1月4日に発表された12月の消費者物価指数が市場予想よりも上昇率が高かったことが多少の気がかりではあるが、12月24日のトルコ中銀による2会合連続での大幅利上げとトルコ中銀新総裁による金融引き締め姿勢を好感して一段高した状況を維持しているところだ。

【トルコ株指数の大上昇基調続く】

イスタンブール100株価指数は1月5日に終値ベースでは小反落したものの1506.89まで上昇して過去最高値を更新した。週足では11月から年末まで9週連続の上昇であり、年明けも続伸の10週目となりつつある。月間ベースでは昨年11月が前月比15.39%高、12月が15.05%高でこの2か月間で30%を超える大上昇となっている。
NYダウを先頭とした世界的な株高基調が背景であるが、主要国による実質ゼロ金利と大規模な量的緩和が過剰流動性を発生させ、投機マネーと化して新興国株買いに向かっていることも反映していると思われる。また11月のトルコ中銀及び財務相の交代によるトルコの経済金融政策の正常化による景気回復期待も背景と思われる。
必ずしもリラの強弱とトルコ株式指数の上昇が相関するわけではないが、11月6日にかけての歴史的なリラ暴落が一服したことで11月からのトルコ株高も勢いついており、相乗効果でトルコリラも一段高状態を維持していると思われる。

【ドル安によるリラへの押し上げ】

メジャー通貨の加重平均であるドル指数は1月5日に終値ベースで昨年3月20日天井以降の最安値を更新した。NYダウは1月4日に3万674.28ドルの高値を付けて史上最高値を更新してから反落したものの5日は前日比167.71ドル高と反発している。昨年3月のコロナショック第一波による金融市場の混乱は一時的なものにとどまり、その後はアフターコロナ復興期待を優先した株高基調にあり、株高によるリスク選好感が為替市場ではドル安を加速させている。
ユーロドルは12月30日に昨年3月以降の最高値を更新した後にいったん下げたものの6日午前には高値を更新している。豪ドルやNZドルも同様に3月以降の最高値を更新している。

人民元高も注目される。中国人民銀行は1月5日に人民元の対ドル基準値を1ドル=6.4760元としたが、2005年7月の元切り上げ以降で最大の引き上げ幅であった。スポット市場では年明けから元高ドル安が加速しており2018年6月以来の元高ドル安水準となっている。
南アランドが南ア型変異種による感染急増問題で下落してるものの、NYダウを先導役としたリスクオン優勢の展開が続けばメジャー通貨におけるドル安及び新興国通貨高も継続し、トルコリラもドル安を背景に11月からの出直り基調を維持しうる環境と思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、12月30日夕高値でサイクルトップを付けて下落に入ったが、31日夕安値で底を付けて戻しに入ったとして31日夕安値割れを回避するうちは5日夕から7日夜にかけての間への上昇余地ありとした。1月4日午後高値からは戻り高値が切り下がっているため、4日午後高値を上抜き返す場合は新たな強気サイクル入りとするのを妥当とみて4日午後高値を直近のサイクルトップとする。4日午後高値を超えないうちは6日午後から8日夕にかけての間への下落余地ありとするが、4日午後高値超えからは新たな上昇期に入るとみて7日午後から11日午後にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では13.90円を挟んだ揉み合いのため方向感に欠ける。4日午後高値超えを強気転換として遅行スパン好転中の高値試し優先とし、13.80円割れを弱気転換として遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は揉み合いのため50ポイントを挟んで方向感に欠ける。60ポイント超えからは上昇再開感が強まるとみて70ポイント超えを目指すとみるが、40ポイント割れからは20ポイント台を目指す下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、13.80円を下値支持線、4日午後高値14.01円を上値抵抗線とする。
(2)13.80円以上での推移中は上向きとし、13.95円超えからは4日午後高値試しとする。14円到達ではいったん売られやすいとみるが、4日午後高値超えから続伸に入る場合は12月30日夕高値14.14円試しへ向かうとみる。また13.90円以上での推移なら7日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)13.80円割れからは12月31日夕安値13.70円試しとみる。13.70円前後は買い戻しも入りやすいとみるが、13.80円以下での推移なら7日も安値試しへ向かいやすいとみる。また31日安値を割り込む場合は先行きの下値目途を13.60円前後へ引き下げる。

【当面の主な経済指標等の予定】

1月7日
 20:30 週次外貨準備高 1/1時点 (12月25日時点 516.1億ドル)
1月11日
 16:00 10月失業率 (9月 12.7%、予想 13.0%)
1月13日
 16:00 11月経常収支 (10月 -2.7億ドル)
 16:00 11月鉱工業生産 前年同月比 (10月 10.2%、予想 8.4%)
 16:00 11月小売売上高 前年同月比 (10月 12.0%、予想 9.5%)


注:ポイント要約は編集部

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