ドル円 米政治情勢に注意、為替は一時的な反発も

7日の東京市場は、ややドル高。前日、一時102.60円まで下落し、レンジを底割れしたものの、本日東京では103円台を回復するなど、元のレンジに回帰している。

ドル円 米政治情勢に注意、為替は一時的な反発も

米政治情勢に注意、為替は一時的な反発も

〇ドル円、一時102.60まで下落するも103円台を回復、16時現在103.20-25で推移し欧米時間へ
〇ジョージア州の連邦議会上院の決選投票は民主党が2議席を獲得しトリプルブルーの完成が実現
〇東京で新型コロナ感染者が2000人を越え、ワクチン開発やワクチン接種状況の続報にも注意
〇本日発表の週間ベースの新規失業保険申請件数や12月ISM非製造業総合指数など米経済指標に注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ102.90-103.90

<< 東京市場の動き >>

7日の東京市場は、ややドル高。前日、一時102.60円まで下落し、レンジを底割れしたものの、本日東京では103円台を回復するなど、元のレンジに回帰している。

ドル/円は102.95円前後でオープンしたのち、しばらくは低位揉み合い。103円挟みの動きとなったが、徐々にレンジを切り上げると、夕方には日中高値の103.25円レベルを示現した。途中、「東京都の新型コロナ感染者が連日の過去最多に、2000人超」などと伝えられ、それが材料視される局面もあったが、日経平均株価も結局434円と前日比大幅高で取引を終えている。ドル/円は、16時現在103.20-25円で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米ジョージア州選挙」と「新型コロナ感染拡大」について。
前者の「米南部ジョージア州における連邦議会上院の決選投票」は、昨日夕方時点でNBSなど一部のメディアが「2議席のうち、少なくとも1議席を民主党候補が獲得した」と報じていたが、本日未明に「残り1議席も民主党候補が制した見込み」などと伝えられ、トリプルブルーの完成が実現したことが明らかに。ただ、そうしたなか結果に不満を抱く「トランプ氏支持者が米議会侵入」。賊と警備員のあいだで銃撃戦が繰り広げられたもようで、女性が1名死亡したとの報道も別に観測されるなど、まさに大混乱の一日だった。

対して後者は、日本(東京)の感染状況も前述したような厳しい状況。このあと、本日夕方に菅首相が緊急事態宣言の再発令を決定することが確実視されている。また、米国でも「コロナ感染者が2100万人を突破」したと発表されたほか、やや気掛かりな材料として、米疾病対策センターが「新型ワクチンのアレルギー反応を注意深く監視」としたうえで、新型コロナワクチンによるアレルギー反応は接種100万回当たり11.1件とし、インフルエンザ予防の10倍近い数値になっていることを明らかにしている。ワクチン開発ならびに接種状況についても、続報などに注意を払いたい。

<< 欧米市場の見通し >>

金融市場が依然として落ち着かない。その典型は引き続き暗号資産ビットコインで、本日東京時間には一時37700ドル台を示現している。分母が大きいとはいえ、一日に2000-3000ドル動くことも珍しくなく、それに連れてか為替市場もやや荒っぽい変動だ。昨日もレポートしたように、ここ数年の1月のドル/相場は、一年のなかで比較的アクティブな変動をたどることが少なくない。この先、週末あるいは月末に向けての変動にも一応要注意。

そうしたなか、気になる要因は大きく2つ。ひとつは、再三再四取り沙汰されている「新型コロナ」に関するもので、もうひとつは「米政治情勢」。後者は、次期米大統領が民主党候補、上下議会はいずれも民主党が大勢を占める状態となるなか、先で報じた「米議会への侵入事件」があり、それを受けて米民主党議員などから「トランプ氏の弾劾法案準備」の動きが観測されている。黙っていてもトランプ氏の任期は残り2週間ほどだが、その残りの任期さえ全うできないような風雲急を告げる動きがないとも限らない。

テクニカルに見た場合、ドルの基本的なリスクは下向きながら、足もとのドル/円はややドルの戻り歩調。ごく短期的にドルはいま一段の戻りを達成するとの見方も少なくないようだ。ただ一巡後、戻りメドを確認後は再び下値を試すとみられ、そうした意味では絶好の売り場探しと言えるのかもしれない。また、逆に言えば追随してのドル高値掴みにも一応要注意か。

材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発・接種」、「就任確実のバイデン新米大統領による政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては,週間ベースの新規失業保険申請件数や12月のISM非製造業総合指数などの米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表されたADP雇用統計が期待を完全に裏切る内容だっただけに、前者の雇用指標をとくに警戒する向きが多いようだ。また、本日は要人による講演も多く、そちらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは102.90-103.90円。昨日高値である103.44円が目先の抵抗で、近いレベルには移動平均の21日線も位置している。ザラ場ベースの動きもさることながら、NYクローズベースで上回れるか否かにも注目だ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値にも当たる102.95円前後が目先のサポート。下回ると昨日安値102.60円がターゲットに。

米政治情勢に注意、為替は一時的な反発も

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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