『約3ヶ月半ぶり高値圏へ上昇。来週はインフレ指標に注目』
〇トルコ円 中銀追加利上げ観測、米追加経済対策承認等で3か月半ぶり高値14.14まで急伸
〇年末年始にかけてはフラッシュクラッシュ警戒のポジション調整で13.87前後に反落して越年
〇トルコ円、テクニカル、ファンダメンタルズとも更なる上昇が期待される状況
〇来週発表のトルコインフレ指標要注視
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):13.65ー14.15
今週のレビュー(12/28−12/31)
今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初13.70円で寄り付いた後、@新型コロナウイルス(変異種)の感染拡大や、A上記@を背景とした同国観光業への下押し懸念(トルコ経済の柱である観光業が打撃を被る恐れ)が重石となり、週明け早々に週間安値13.65円まで下落しました。しかし、一目均衡表転換線に続落を阻まれると、Bトルコ中銀による追加利上げ観測(トルコ中銀は先週開催された会合時の声明文でインフレ率の長期的低下が見られるまで金融引き締め政策を維持する方針を明確化)や、
Cトランプ米大統領による追加経済対策法案への署名(米政府予算成立→米政府機関閉鎖回避)、D上記Cを背景としたリスク選好ムード(株式市場の堅調推移→新興国通貨への資金流入)、Eトルコと英国の自由貿易協定(FTA)合意(英国の欧州連合離脱後もトルコとの貿易は従来通り継続)、Fエルドアン大統領による「ファイザー社の新型コロナワクチンが1月に届く」との発言が支援材料となり、週央にかけて、9/15以来、約3ヶ月半ぶり高値となる14.14円まで急伸しました。もっとも、年末年始にかけては、低流動性の隙をついたフラッシュクラッシュへの警戒感からポジション調整が先行し、結局13.87円前後まで反落しての越週となっております(1/1はNew Year Dayで休場)。
来週の見通し(1/4−1/8)
トルコリラの対円相場は、週央にかけて上値を伸ばし、一時約3ヵ月半ぶり高値となる14.14円まで急伸しました(心理的節目14.00円を一気に突破)。この間、強い買いシグナルを表す一目均衡表三役好転が約1年半ぶりに出現するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となっております(下落トレンド終了→上昇トレンド開始への期待)。ファンダメンタルズ的に見ても、トルコ中銀による追加利上げ観測や、世界的なリスク選好ムード(リスクアセットの上昇期待)など、トルコリラを下支えする材料が整いつつあります。
以上の通り、トルコリラ円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、更なる上昇が期待されます。新型コロナウイルス(変異種)の感染拡大に留意しつつも、当方では引き続き、トルコリラ円相場の短期的な上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週はトルコ中銀の追加利上げ有無を占う上で注目されるインフレ指標が発表されます(トルコ中銀はインフレ率が低下するまで金融引き締め政策を続けると述べている為、1/4日本時間16時に発表されるトルコ12月消費者物価指数、トルコ12月生産者物価指数に注目)。今回発表されるインフレ指標が仮に予想を大幅に下回る結果となった場合には、トルコ中銀の追加利上げ観測が後退し、トルコリラに下押し圧力を加える恐れも出てくるため、注意が必要でしょう。
来週の予想レンジ(TRYJPY):13.65ー14.15
注:ポイント要約は編集部
トルコ円日足
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2021.01.04
トルコリラ円見通し 二度目の利上げから14円台を回復したが年末の失速で14円を割り込む(21/1/4)
30日夕刻には14.14円の高値を付けて9月14日以来の高値水準となった。しかし31日夜には13.70円まで失速した。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2020.12.29
トルコリラ円見通し 14円台到達、11月19日の前回利上げ時の高値13.82円を上抜く(12/29)
28日夕刻には24日夜高値を上抜いて一段高に入り、28日深夜には14.00円まで高値を切り上げた。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。