懸案事項解消も、年末相場でレンジ継続か(12/28夕)

週明け28日の東京市場は、「行って来い」。一時ドル高に振れるも続かず、元のレベルへと押し戻されている。

懸案事項解消も、年末相場でレンジ継続か(12/28夕)

懸案事項解消も、年末相場でレンジ継続か

〇ドル円、「行って来い」で日中高値103.65-70から103.40レベルへ値を下げる
〇新型コロナの世界感染者がついに8000万人超
〇「トランプ氏、経済対策法案に署名」のニュースは大きなドル買い要因にならず
〇102.90-103.90という1円レンジがすでに2週間経過
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.10-103.90

<< 東京市場の動き >>

週明け28日の東京市場は、「行って来い」。一時ドル高に振れるも続かず、元のレベルへと押し戻されている。

クリスマスを含む週末に、暗号資産ビットコインは大荒れ。一時28000ドル台まで急騰したものの、そののち2000ドル超の下落が確認されていた。また、米ジョンズ・ホプキンス大学による集計で、新型コロナの世界感染者がついに8000万人を超えたことが明らかに。
そうした状況を踏まえ、ドル/円は103円半ばで寄り付いたのち、ややドル買い先行。日中高値である103.65-70円へと上昇するも勢いは続かず。むしろ、一転してドル売りが優勢になると「行って来い」。103.40円レベルへと値を下げ、16時現在では103.45-50円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米追加経済対策」と「新型コロナ」について。
前者は、トランプ米大統領による「新型コロナウイルス追加経済対策法案への署名を引き延ばし」が相場の波乱要因として取沙汰され、週末にはバイデン氏から「国民に壊滅的な結果をもたらすことになる」との警告も発せられていた。ただ、政府機関の閉鎖懸念などが依然として拭えないなか、本日東京時間に突然「トランプ氏、経済対策法案に署名」とのニュースが伝えられている。しかしながら、ドル/円をはじめとする為替市場への具体的な影響となると限定的で、大きなドル買い要因にはならなかったようだ。

対して後者は、前述したように「新型コロナの世界感染者がついに8000万人超」となったことが明らかになるなか、より感染力が高いとされ、英国で発見された「変異種」も世界へと拡散していることが確認され新たな問題に。たとえば、日本も政府が「全世界からの外国人の新規入国を今月28日から1月末まで停止する」などと発表している。クリスマスが過ぎるなか、日本は今後年末・年始ムードが強まりそうだが、今年は自粛色の強い様相を呈しそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

いわゆるクリスマス期間中、ドル/円を中心に為替はさすがに手控えムードの強い動きをたどったが、暗号資産ビットコインは逆に「薄商い=荒れ模様」を地で行く展開だった。肝心のクリスマスが明け、欧米参加者は徐々にマーケットへと戻ってくる反面、今度は東京勢が年末年始で休みに入る。ただ、先で取り上げたビットコインのような薄商いのなか、活況を呈した市場もあるだけに、このあと休暇入りする本邦勢も安穏とばかりはしていられないかもしれない。
色々と思うところはあるにせよ、目先の懸案事項だった「英EU通商交渉」合意に続き、「米追加経済対策」もトランプ氏が無事に署名。これで米政府機関の閉鎖も回避された格好だ。こうなってくると、残るマーケットの強い関心事項は「変異種」問題を含めた新型コロナの感染状況か。今年は自粛ムードが強かったとはいえ、クリスマスで多少なりとも羽目を外した人も少なくなかったと予想されることから、それがさらなる感染拡大に繋がった危険性などを取り沙汰する声も聞かれていた。関連ニュースには引き続き注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は102.90-103.90円という1円レンジがすでに2週間にも及んでいる。方向性が乏しい状況と言わざるを得ず、いましばらく揉み合いが続く可能性も否定できないが、「東京休場時の為替市場はよく動く」というジンクスがあることは気掛かりか。今週のどこかで、レンジブレークしてくるような局面があっても不思議はない、との見方も聞かれている。

材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発・接種」、「就任確実のバイデン新米大統領による政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、クリスマスが明けたとはいえボクシングデーで英国やカナダなどが休場になることもあり、本日の新規材料は基本的に乏しい。目立った米経済指標の発表や、欧米要人による講演などもとくには予定されていない。ただ、米財務省による2年債と5年債の入札ならびに、トランプ氏も発している米下院における「小切手の2000ドルへの増額採決」には一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.10-103.90円。103.80円台までレベルを切り下げてきた移動平均の21日線をめぐる攻防にまず注視。その少し上には、直近高値などが位置している。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値を含めた103.30-40円レベルが目先のサポートか。割り込めば103円割れ、直近安値102.88円が再び視界内に捉えられそうだ。(了)


*ご連絡;誠に恐れ入りますが、1月1日(金)の元日は、世界的に金融市場が休場となりますので、当レポートを休刊にさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

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ドル円日足


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