ドル円 年内は上値が重たいもみあい継続(週報12月第4週)

今週は、海外の市場参加者は火曜から戻っては来るものの、今年に限っては年内は低調な取引が続くと思われます。

ドル円 年内は上値が重たいもみあい継続(週報12月第4週)

年内は上値が重たいもみあい継続

〇先週のドル円、市場参加者少なく週間レンジは月曜の63銭と一致
〇東京市場が休みとなる年内最終日31日はポジションやオーダーの管理に注意
〇103円台後半では売り、103円割れたら買いという地合いは今週も続く
〇今週は102.80レベルをサポートに、103.80レベルをレジスタンスとする週

今週の週間見通し

先週のドル円は実質水曜まで、クリスマスは東京以外の主要市場は全休場ですし、クリスマスに向かって市場参加者も少なく、比較的動きの見られた月曜でも63銭に留まり、月曜のレンジがそのまま週間レンジとなっていました。材料もEUと英国との通商協議合意という大きなニュースはありましたが、既に年内合意はほぼ確実という見方が強まっていたこともあって、ポンド以外は動きもあまり見られませんでした。

今週は月曜が英国ボクシングデーの振替休日で英連邦は本日までが実質的なクリスマス、東京市場は30日までですが、今年はコロナの影響もあって先週で年内の営業が終わったところも多いですし、そうでない企業でも金融機関以外は本日28日が最終日というところがほとんどです。海外の市場参加者は火曜から戻っては来るものの、今年に限っては年内は低調な取引が続くと思われます。

逆に市場参加者が減少していることから、何かニュースが出た時などは注意が必要ですし、31日の東京市場が休みとなる年内最終日は特に注意が必要ですから、ポジションやオーダーの管理には十分注意したいところです。

今週は目立った材料もありませんのでテクニカルな観点から簡単にコメントをするに留めておきます。日足チャートをご覧ください。

ドル円(日足)チャート

ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

チャートにも大きな変化は無く、7月高値からのレジスタンスラインとそれに平行に引いたラインとで構成する下降チャンネル(ピンクの太線)の中で緩やかなドル安の流れを続けています。短期的には下抜けたトライアングルの上側のレジスタンスラインと11月安値と12月安値を結んだラインとで構成される下降ウェッジ(青のライン)の中での動きです。


現在この下降ウェッジは102円台後半から104円の間に位置していますが、その半値水準の103.40レベルが現時点では落ち着きどころ。103円台後半では売り、103円割れたら買いという地合いは今週も続くものと見ています。ただ大きな流れがドル安であることや、通商協議合意となった欧州通貨に改めて買いが入る可能性がありますので、最終的にはドル円も下抜けとなる可能性が高いでしょう。今週は102.80レベルをサポートに、103.80レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。

12月28日(月)
**:** オセアニア、英国、カナダ休場
08:50 日銀会合主な意見
21:00 南ア11月貿易収支

12月29日(火)
23:00 米国10月ケースシラー住宅価格

12月30日(水)
**:** 国内取引所大納会
16:00 英国12月住宅価格
23:45 米国12月シカゴ購買部協会景況指数
24:00 米国11月住宅販売保留件数
24:30 週間原油在庫統計

12月31日(木)
**:** 東京、ドイツ休場。米国短縮取引。
10:00 中国12月製造業PMI
16:00 トルコ11月貿易収支
22:30 米国新規失業保険申請数

1月1日(金)
**:** 全市場休場
**:** 英国がEUから離脱

前週の主要レート(週間レンジ)

前週の主要レート(週間レンジ)

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

12月21日(月)
ドル円はユーロドルと歩調を揃える一日となりました。ユーロドルが安値をつけた際には103.88レベルの高値を付けましたが、ユーロ買い戻しの動きとともに行って来いとなり、朝方の水準に押して引けました。

12月22日(火)
NY市場が始まるまでは多少の上下はあったもののもみあいに終始していました。NY市場に入り発表された7〜9月期GDP確報値が予想よりも強かったことをきっかけにドル買いの動きとなり、ドル円は103.71レベルまで上昇し高値圏での引けとなりました。

12月23日(水)
東京市場のドル円は、前日NY市場で経済指標と実需のドル買いで上がった動きに対して調整の売りが続き、欧州市場序盤には日を跨いでの行って来いとなりました。しかし前日安値も試せなかったことから海外市場では買い戻しの動きとなり東京朝方の水準に戻した後に若干押しての引けとなりました。

12月24日(木)
クリスマスイブで一部の市場は休場、短縮取引と流動性が低下する中、東京市場ではEUと英国との通商協議合意期待が高まりました。主役はポンドでドル円は103円台半ばで小動きのまま終わりました。

12月25日(金)
クリスマスで東京市場を除いた主要市場が全て休場となりました。東京時間も国内業者こそレートを提示していましたがスプレッドは広く、海外業者は本店が休みということもあって取引自体を停止、ほとんど動きの無い週末となりました。

ディスクレーマー

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今年も一年間お世話になりました。良い年をお迎えください。なお、年明けの週報は1月4日からとなります。

注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

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