日本銀行金融政策決定会合について
(2019年6月19日・20日開催
東京時間20日12時頃に政策金利の公表予定、同15時半から黒田総裁定例記者会見)
エコノミストは全員据え置き予想(6月19日11時現在予想)
短期:日銀当座預金のうち政策金利に▼0.1%のマイナス金利を適用
長期:10年物国債がゼロ%程度で推移するように調節
資産買入:ETFの保有残高を年間6兆円、J-REATの保有残高を年間900億円に
相当するペースで増加するように買入。
CP等は約2.2兆円、社債等は約3.2兆円の残高を維持。
明日20日の正午頃に日銀は政策金利を公表しますが、エコノミスト全員が据え置き予想となっています。今回は19日のFOMCを受けた直後の金融政策となり、本来なら自国のインフレ舵取りに注力する筈ですが、エコノミストはFRBのハト派的コメントが出て、万一、為替が円高方向に進んだ場合の対応についての含みを入れるのではないかと予想しています。
インフレ目標が2%からほど遠い現状ですので、この辺りに言及し、追加緩和を示唆する可能性があると分析しています。
但し、昨日ドラギECB総裁は、「もしユーロ圏経済を下支えする必要があるなら、ECBは利下げや債券購入プログラム再開をする用意がる」と発言しましたが、これに対してトランプ大統領が即座にツイッターで「直ぐドル高ユーロ安になった。米国との競争を容易くするため」と不満を表明しています。この発言を捉えて一部エコノミストは新たに通貨戦争が加わり、米欧、米日との貿易交渉にも影響が及ぶ可能性があると分析しています。この問題は明日の金融政策にも影響を与えますので、もし日銀が追加緩和を示唆する場合には、米国からの反応にも十分気を付けておく必要性があります。
尚ご参考まで、日銀はETF買い入れを継続していますが、日本のETF残高は2019年3月末で37兆3000億円、同時期の日銀保有残高は24兆7800億円、4月・5月の買い入れは約1兆円追加されている模様で、更に残高が積み上がっているようです。
FOMCに関してエコノミストの新たな見方
本日のFOMCは、昨日までのエコノミストの見方に加え、金利据え置き予想の1つの材料として、G20会合時の米中貿易問題の行方が重要と指摘しているエコノミストに意見があります。大統領がG20で米中貿易会談は良くなるだろうとツイッターしたことで、大幅な株高になったので、G20での米中会合がクローズアップされています。
その他、FRBの内容次第では、ホワイトハウスからパウエル解任の具体策も出易くなると見ているアナリストもいます。既にパウエル議長解任の選択肢を指示とのニュースもあるので、中銀独立性を含めて、大きな問題になる可能性があります。
為替は、ドル円の日足で106円80銭〜108円90銭レンジのドル安トレンドラインを形成しています。ライン上限を越えると、ドル下落は小休止になり、上値の抵抗線は109円20銭〜30銭、109円80銭〜90銭にあります。下値はレンジ内の107円70銭〜80銭にサポートがあります。もしこれを切ると、トレンドライン下限方向に行き易くなります。
(2019年6月19日13:10、1ドル=108円36銭、1ユーロ=121円30銭)
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.12.25
東京市場のドルは157円台で推移、植田日銀総裁の余波は弱く一段の円安は回避か(24/12/25)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、植田日銀総裁の発言を受けて、やや円安ドル高に振れ一時157円50銭台まで上昇した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.12.25
ドル円157円台前半、主要市場のクリスマス休暇入りで市場閑散 (12/25午前)
25日午前の東京市場でドル円は小動きに終始。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.12.25
トルコリラ円見通し ドル/トルコリラでリラが反騰、20日未明高値とダブルトップ気配(24/12/25)
トルコリラ円の12月24日は概ね4.49円から4.43円の取引レンジ、25日早朝の終値は4.44円で前日終値の4.46円から0.02円の円高リラ安だった。
-
日本円(JPY)の記事
Edited by:橋本 光正
2019.07.29
日本銀行の金融政策予想(19/7/29)
2019年7月29日・30日開催 東京時間30日12時頃に政策金利の公表予定、同15時半から黒田総裁定例記者会見
-
日本円(JPY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2019.06.15
南アランド週報:『南ア5月消費者物価指数が弱ければ、次回7月SARBでの利下げを織り込む展開か』
6/10週の南アフリカランド・円相場(ZARJPY)は、先週末金曜日に記録した年初来安値(7.148円)から急反発するも週後半にかけて伸び悩む動きとなりました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。