『南ア5月消費者物価指数が弱ければ、次回7月SARBでの利下げを織り込む展開か』
6/10−6/14の振り返り
6/10週の南アフリカランド・円相場(ZARJPY)は、先週末金曜日に記録した年初来安値(7.148円)から急反発するも週後半にかけて伸び悩む動きとなりました。週初7.259円で寄り付いた今週の南アフリカランド・円相場は、@トランプ米大統領による「メキシコへの関税発動を無期限で延期する」とのツイートを受けたリスク回避ムードの後退や、A南ア4月製造業生産高(結果+2.8%、予想+0.4%)及び、B南ア4月小売売上高(結果+2.4%、予想+1.2%)が共に市場予想を大幅に上回ったことに伴う楽観ムードの高まり等から、週央にかけて、約1週間ぶり高値となる7.421円まで急伸しました。
しかし、同水準で伸び悩むと、その後は、C南ア原子力公社(NECSA)が人員削減を計画しているとの報道が同国失業率の悪化に繋がると連想されたことや、DクガニャゴSARB(南ア準備銀行)総裁による「低下基調のインフレは低金利政策を維持することを意味する」「弱い経済状況に鑑みると、今後1年程度にわたり利下げ余地があるかもしれない」等のハト派的な発言が重石となり、週後半にかけて7.257円まで反落し、結局7.316円での越週となりました。
6/17−6/21の展望
南アフリカランド・円相場は、1/3安値と3/28安値を結んだサポートラインを割り込んだことを契機に下げ足を速め、先週末金曜日(6/7)には、一時9ヶ月ぶり安値となる7.148円まで急落しました。強い売りシグナルを表す一目均衡表・三役逆転や、39営業日連続でのボリンジャーバンドのミッドバンド割れなど、南アフリカランド・円相場は、テクニカル的に見て「下落リスク」が強く意識されます。足元では、短期間で下げ過ぎた反動からやや買い戻しが優勢となっておりますが、@南アフリカにおける景気後退リスク(リセッション入り)の高まりや、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題、B政府による中銀干渉に端を発した南アフリカ中銀(SARB)の独立性への疑念、C根強い利下げ観測、Dラマポーザ大統領の政治献金問題などファンダメンタルズ的な不安要素を考慮すれば、南アフリカランドの上値余地は乏しいと考えられます。来週水曜日(6/19)に予定されている南ア5月消費者物価指数が市場予想を下回った場合、「インフレ鈍化→政府によるSARBへの利下げ圧力」を通じて、次回7/18に予定されている南アフリカ準備(SARB)銀行理事会での「利下げ」も視野に入ります。
事実、クガニャゴSARB(南ア準備銀行)総裁は今週、利下げの可能性を示唆する発言を行いました。SARBの利下げを見越した南アフリカランド売りに注意が必要です。尚、来週木曜日(6/20)に予定されているラマポーザ大統領の一般教書演説では、「南アフリカ経済の景気対策及び構造改革」に加えて、「国営電力会社エスコムの改革」を巡る発言に注目が集まります。改革プランに実効性が伴わず、失望感が強まる場合には、昨年9/5に付けた安値7.098円を試す動きも想定されます。当方では引き続き、「南アフリカランド・円相場の下落」をメインシナリオとして予想いたします。
来週の予想レンジ ZARJPY 7.00ー7.50
ZAR円日足
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
日本円(JPY)の記事
Edited by:橋本 光正
2019.06.19
日本銀行金融政策決定会合について(19/6/19)
(2019年6月19日・20日開催 東京時間20日12時頃に政策金利の公表予定、同15時半から黒田総裁定例記者会見)
-
日本円(JPY)の記事
Edited by:橋本 光正
2019.04.24
日本銀行金融政策決定会合の予想(2019年4月24日・25日開催予定)
東京時間25日12時頃政策金利の公表予定、同15時半から黒田総裁定例記者会見
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。