ユーロ下落、EU合意にCSU納得せず
週明けの東京市場でユーロドルは弱含み。
前週末にはEU首脳会談で移民・難民問題が合意に至り、EU内外に移民、難民の審査施設を設置して各国が難民の負担を分担する方向となったことで、心配されたドイツの中道右派連合内の内部分裂は一旦は回避できたものと思われました。ユーロドルは週末のNY時間終盤には一時1.1690と1.17に迫る勢いを見せました。
しかし、日本時間未明に難民政策で、メルケル首相と対立していたCSUのゼーホーファー内相が首脳会談での合意に納得せず、内相辞任を申し出ているとの報道が出るとユーロは弱含みに転じました。
その後メルケル首相のCDUがEUの難民政策を進める方針と報じられ、本日東京時間は朝方に1.1692まで一旦強含んだものの、不透明感からユーロは徐々に値を下げて東京時間18:00現在は1.1650レベルでの取引です。
東京時間の深夜に行われるメルケル、ゼーホーファー会談にすべての望みを託すメルケル首相とCDUですが、両者が妥協点を見いだせるかは不透明で、妥協点が見つからなかった場合のその後のシナリオもはっきりしません。
テクニカルにはユーロドルは日足の一目均衡表の転換線1.1615にサポートされ、上値は1.1671の21日移動平均線、基準線1.1680に押さえられるほどほどの均衡レベルにありますが、万が一ドイツの連立政権が崩壊するところまで状況が悪化するような場合には、再び1.15を試す動きとなりそうです。
序盤の欧州株価指数先物はほぼ全面安。先ほど発表された6月のドイツの製造業PMIは55.9と前月と変わらず、ユーロ圏の同指数も54.9と速報の55.0よりわずかに弱い数値となったものの、ユーロ相場への影響は限定的でした。
今晩この後22:45に米製造業PMI改定値、23:00に6月ISM製造業景況指数および5月建設支出と今日の米国の経済指標はやや重めです。
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