株安にもかかわらずドル堅調、基調変化なし(7/2夕)

週明け2日の東京市場は、小幅にドル高・円安。一時は5月21日以来となる111円台を回復する局面も観測されていた。

株安にもかかわらずドル堅調、基調変化なし(7/2夕)

<< 東京市場の動き >>

週明け2日の東京市場は、小幅にドル高・円安。一時は5月21日以来となる111円台を回復する局面も観測されていた。

前日に実施された「メキシコ大統領選」の結果などをにらみつつ、110.55円レベルと、前週末のNYクローズよりもやや円高レベルで寄り付いた。しかし、そのレベルを日中安値にドルは小じっかり。対円でもじり高推移をたどると、一時111円台まで上昇した。
ただ、日経平均株価が前週末比492円の大幅安となったことなどが嫌気されると、為替も小反落し再び円買いが優勢に。16時時点では110.70-75円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易戦争懸念」。6日に「対中制裁関税を発動」という状況下、前述したメキシコ大統領選は、出口調査の結果として「対米強硬の左派政権誕生の公算」と報じられ、NAFTA再交渉に関する懸念が強まっていたようだ。
そのほか、「ゼーホーファー独内相、メルケル首相と対立し辞意を表明」、FOXニュース「トランプ米大統領が、北朝鮮の非核化を信じていると発言」、宮内庁「天皇陛下が未明から体調不良に」−−などといったニュースが伝えられており、一部で話題となっていた。

<< 欧米市場の見通し >>

前述したように、メキシコ大統領選の結果などを受けて、「米貿易戦争懸念」が再認識される格好となり、東京時間に日経平均株価は500円程度と大きく下落した。それに対して、為替市場は多少の円買いが進行したものの、ドル/円の下値は堅く、影響は軽微に。つまり、「株安進行=円高」という相関性がかなり低かったわけだが、これは飽くまでも一時的なものなのか否か、NY時間などについても両者の関係性をしっかりと見極めたいところだ。
ただ、ドルは先週末に6月高値110.90円を更新したのに続き、本日東京時間に続伸、111円台を一時回復している。テクニカルには、5月高値111.39円が視界内に捉えられるなど、基本的なリスクはドル高方向にバイアスがかかりそう。株価や米経済指標の内容などをにらみつつ、ドルの続伸にも注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、「週報」でもレポートしたように、先週末で終了した6月相場は月間変動幅が2.21円にとどまり、2014年7月以来、4年ぶりの膠着相場となった。足もとはすでに7月相場入りしており、前月の不名誉な記録からの巻き返しが期待されている。
「サッカーのワールドカップ開催期間中」という為替市場にとっては悪環境ながら、ドルの強気派からは、110.20円レベルに位置する移動平均の200日線をサポートに、まずは5月高値の111.39円をトライ−−といった声も聞かれていた。

一方、材料的に見た場合、6月の製造業PMI確報や、同ISM製造業景況指数など、幾つか米経済指標が発表される予定となっている。ここ最近発表される米経済指標は原油高の影響なども散見され、あまり良くない内容が少なくないだけに、本日も内容については一応注意しておきたい。
また、米貿易戦争懸念が取り沙汰されるなか、週末の「対中制裁関税を発動」以外でも、米欧要人の会談が実施される予定であるなど、一連の動きにおいて最悪の事態回避に向けた行動があるのかどうか、各国政治要因にも注意が必要だろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.10-111.10円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値である111.05-10円が最初の抵抗で、5月高値111.39円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の200日線が位置する110.20円レベルをはじめ、同25日線(109.90-95円)、一目均衡表の先行帯の雲の上限(109.75-80円)など110円挟みはテクニカルサポートが多い。いずれにしても、底堅いイメージで大崩れは予想できない。

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