ユーロドル続落で「嘔吐(ゲロ吐き)ラクダ」現出
9日の東京市場でユーロドルは続落、昨日同様東京時間に弱含んだ後、欧州時間に一段安となり年初来安値を更新しています。
イベントの狭間で静かな展開が予想された本日ですが、今晩、明日と発表される米物価指数への思惑から、米10年もの金利が再び3%に乗せてきたことからドルは夕刻にかけ全面高となり、対ユーロでは一時1.1823と年初来安値を更新した後、東京時間19:00現在はやや戻して1.1855レベルでの取引です。
連日の安値更新に昨日もコメントしたとおり、テクニカル的にも歯止めが見当たらないユーロドルですが、一部海外市場参加者の間では「嘔吐(ゲロ吐き)らくだ(Vomiting Camel)」のチャート上への出現が話題となっています。
もちろん日本のどのようなテクニカル分析の本にも「嘔吐ラクダ」を解説している例は(多分)ないものと思われますが、これは、英FT紙のオンラインサービスfastFTのヘッドであるケイティ・マーティン氏が2014年ごろから広めた一種のジョークで、彼女自身はINGのアナリストSUVI Platerink氏のアイデアの盗用であることを認めているものです。
その後も相場の急落と苦しんで嘔吐するラクダのイメージがあまりにもぴったりくるためか、一部で根強い信奉者がおり、CNBC、TradingView等がこの手法での解説を試みています。
ユーロドル日足チャート上の「嘔吐らくだ」
(こぶはふたこぶが基本か。首をうなだれて、激しく嘔吐する。絵は拙ければ拙いほどよい?)
もともとチャート分析の基本が(異論はあるでしょうが)一種のアノマリーで、信じる人が多ければ多いほど現実が近づくという市場の鉄則からすると、このらくだが将来的に定型化される可能性は高い(?)ものと思われますが、残念ながら現時点では吐しゃ物の長さがどのくらいに達すると相場が終了するのかに対する定説は無いため、分析としてあまり役に立つとは言えません。強いて言えば、「ダブルトップか、ヘッドアンドショルダーが機能して相場が下落、ターゲットレベルに達したにもかかわらず下げ止まらない断末魔の様相」と説明することはできるかもしれません。
市場は今晩21:30からの米4月のPPIと明日のCPI待ち。本日発表のPPIは事前予想前年比+2.8%と前月の+3.0%からやや弱含む事が見込まれています。序盤の欧州株価指数先物はおおむね上昇して推移。
オーダー/ポジション状況
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