<< 東京市場の動き >>
9日の東京市場は、ドル高・円安。109.40円レベル、過去3-4日ほどドルの上値を阻んできた水準を上抜け、一時109.70円近くまでドル高が進行している。
ドル/円は、109.10-15円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。109.00-15円という非常に狭いレンジ取引となったものの、仲値にかけてドル買い・円売りが優勢になると、そのまま109.40円レベルを突破し、109.60-65円までドルが急騰した。
一旦はドルが上げ渋り、高値圏での揉み合いとなるも、夕方にかけて再びドル高が進行。日中高値の109.70円レベルを記録し、16時時点でもほぼ同水準で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「日中韓首脳会談」に関するニュースなど。
前者については、前日電撃的に実施された中朝首脳会談や、米中首脳の電話会談を受け、「トランプ米大統領はポンペオ国務長官を北朝鮮に派遣」したことが明らかになっている。対して後者は、本日午前に「日中韓首脳会談」が実施され、「北朝鮮の非核化に向けた連携で一致」したものの具体的な方策は打ち出せなかった。また、拉致問題について安倍首相は会談後に、「日本の立場は中韓の理解を得られた」と発言している。
<< 欧米市場の見通し >>
ここ3-4日の相場は、108.60-109.40円と1円にも満たないレンジ取引だったが、本日の東京時間に上限を突破、109.70円近くまでドルは値を上げてきた。再びドル高方向へ歩みを進めた格好で、2日高値の110.02円が視界内に捉えられている。また、そのレベルをも超えた場合には、2月2日高値の110.48円がターゲットとなりそうだ。
ただ、本日の東京時間にドル高・円安が進行したものの、材料面に目を向ければ、必ずしもポジティブな要因ばかりではない。確かに、米朝の融和期待はドル買い要因となろうが、トランプ大統領が決断を下した「米のイラン核合意離脱」や、来週にかけて実施される「米中による通商再協議」などは逆にドル安要因となりかねない気もしている。110円をしっかりと超えるレベルに定着するかどうか、動静をしっかりと見極めたい。
テクニカルに見た場合、引き続き先週来指摘している「年初来安値104.58円を中心とした日足チャートのシンメトリー(左右対称形)」の様相で、中段保ち合いである108-110円には留まっている。しかし、前述したようにその上限超えを視界内に捉えた値動きで、早ければこのあとの欧米時間にも上抜けを試す可能性を否定出来ない。
ちなみに、上抜けた場合には110.15-20円に位置する移動平均の200日線や、2月2日高値の110.48円がターゲット。また、昨年11月高値114.74円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しは110.90円レベルに。
一方、材料的に見た場合、4月の生産者物価指数など幾つかの米経済指標が発表されるほか、米財務省による10年債の入札が予定されている。また、FOMCの投票権を有するボスティック・アトランタ連銀総裁が講演を実施する予定で、それらはいずれも要注意。
ほかでは、訪朝したことが伝えられているポンペオ国務長官の行動や発言、あるいは昨日の米のイラン核合意離脱を受けて「工業用のウラン濃縮活動の再開もあり得る」などと大統領自身が警告を発したイラン情勢が気掛かりだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.20-110.20円。ドル高・円安方向は、心理的な抵抗であり、2日高値も位置する110円レベルの攻防にまず注視。抜ければ、110.15-20円、110.48円、110.90円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、これまで目先の抵抗として寄与していた109.40円レベルが最初の下値メド。割り込めば109円レベル、108.80-85円などがサポートとなりそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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