トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラ円は「30.60レベルをサポートに、31.40レベルをレジスタンスとする流れ」としました。実際のレンジは、安値が30.42レベル、高値が31.29レベルと、予想レンジよりもやや低めのレンジとなりました。
トルコリラの材料としては、政治的な問題も小康状態、金利も後期流動性金利を引き上げた直後ということで材料難ともいえる週でしたが、ドルの材料は週報にも書いた通り、ユーロドルに引っ張られて更にはオバマケア代替案採決に向けてのリスクオフとドルが弱含みの一週間となりました。
もちろんその国のファンダメンタルが最も重要ですが、金利という観点から考えると、リスクオンの時には高金利通貨が買われやすく、リスクオフの時には低金利通貨が買われやすいというのが一般的です。高金利通貨=トルコリラと低金利通貨=円と置き換えるとわかりやすいと思いますが、先週後半のリスクオフの動きの中で、ドルトルコリラでのリラ買いよりもドル円での円買いが強かったことが、材料難の中でトルコリラ円が弱含みの動きとなった要因と言えます。
上記のことはチャートを見るとよくわかります。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足
21日にトルコリラ円がストンと下げている箇所がありますが、ここはNY市場でダウとWTIが下げた時間帯にあたります。中段のドルトルコリラはほとんど反応していないどころか、ややトルコリラ安(ドル買い)に動いていますが、下段のドル円は素直に円買い(ドル売り)となり、結果としてトルコリラ円の下げにつながっていることがわかります。
他にも円以外の低金利通貨の代表としてはスイスフランもあり、トルコリラや南アフリカランドと対極の2通貨として覚えておくとよいです。
さて、今週ですが31日金曜にトルコの貿易収支(予想−37億ドル)と10〜12月期GDP(予想+1.9%)がありますが、ちょうど四半期末とも重なりますので、予想からずれる場合には注意が必要です。それまでは、引き続きドルの材料で動きやすい地合いが続くものと見ています。
ドルですが、ドル円は今週も円高傾向を続けやすく動き次第では大台110円割れも十分に可能性があり、そうなるとトルコリラ円では先週同様に円買いの動きから下げ圧力が強まりやすい流れです。3月9日の安値30.28をトライすると再び30円の大台割れが視野に入ってきます。
今週も引き続き上値が重たい展開を予想し、29.90レベルをサポートに、31.10レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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