100円を挟んだもみ合い、CPIで早期の利下げ観測が強まる可能性も
【今週の豪ドル】
今週の豪ドルは、豪準備銀行(RBA)が公表した理事会要旨でタカ派姿勢が確認されたものの、買いは続かず、100円水準を挟んだ小動きの相場展開が続いた。
19日に公表された11月のRBA理事会議事要旨は下記の通り。
「現時点で政策金利変更の緊急な必要性はない」
「米国の政策の将来が不確実で、世界の成長が低下しインフレが上昇する可能性」
「雇用市場の大幅な悪化を警告し、将来のデータによっては金融緩和が必要になる可能性」
「政策がより長期間制限的である必要、またはさらに引き締める必要があるシナリオを議論」
「技術的予測では政策金利は2025年半ばまで安定」
「米国の経済政策や中国の景気刺激策など、海外からのリスクを議論」
「政策が想定ほど制限的でない場合、利上げの可能性を警告」
「利下げの正当化には、複数の四半期にわたる好ましいインフレ報告が必要」
「消費の弱さなど、利下げが正当化されるシナリオを検討」
「インフレは2026年まで目標を達成しない見込み」
とタカ派姿勢維持が改めて確認された。公表後、豪ドルが101円台まで買われる場面もあったが、買いは続かず、100円水準でのもみ合いとなった。
豪ドル・円(東京時間:11月18日―11月22日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 99円72銭
高値: 101円59銭
安値: 99円48銭
終値: 100円58銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
11月20日
8時30分、10月Westpac先行指数(前月比)、前回:0.01%、結果:0.18%
11月27日
9時30分、10月消費者物価指数、前回:2.1%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週の豪ドルは、引き続き横ばい推移となりそうだ。足下の豪ドルの対米ドル相場は、米ドル高再燃を反映して上値の重い状況が続いているが、RBAのタカ派も意識されており動意の乏しい展開となっている。豪ドルは対円、対ドルで動意の乏しい展開が続くと見込まれる。
27日に発表される10月消費者物価指数(CPI)は前回の2.1%と同じ水準が見込まれている。CPIは、5月の4.0%から、6月3.8%、7月3.5%、8月2.7%と鈍化傾向は明確となっており、ディスインフレの流れは強い。RBAはタカ派姿勢を貫いているが、CPI鈍化が確認された際は、早期の利下げ観測がやや強まる可能性はある。
一方、現在のRBAはCPIよりも雇用情勢を重視しているとの見方もあることから、CPIの鈍化だけでは早期の利下げ観測はさほど強まらないとの声もある。1%台という想定以上のインフレ鈍化にならない限り、豪ドルは反応しない可能性もあろう。
日足の一目均衡表では、転換線、基準線や100日移動平均線水準でもみ合っており方向感に乏しい。遅行スパンも実線に隠れていることから、強まっていたトレンドは軟化したと考える。トランプ次期政権を巡る思惑トレードは一巡し、為替市場は様子見ムードが強まっている。豪ドルも方向感に乏しい展開が続きそうだ。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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