101円を挟んだもみ合い、早期の利下げ観測後退で様子見ムード強い
【今週の豪ドル】
今週の豪ドルは、10月雇用統計発表後も目立った売買は観測されず小動き推移となり、101円を挟んだもみ合いとなった。
14日、豪統計局が発表した10月雇用者数は1万5900人増加と、市場予想2万5000人増加をやや下回った。失業率は4.1%と前月と変わらずとなったが、市場予想4.2%より良好な結果。労働参加率は67.1%とわずかに低下した。
雇用統計発表後の豪ドルは小動き推移となった。円が主要通貨に対して目立った動きが無かったこともあり、週間の値動きは1円ほどの狭いレンジ推移となった。なお、市場では来年5月に豪準備銀行(豪中銀、RBA)が政策金利を引き下げる可能性は7割ほどとなっており、早期の利下げ観測はさほど強まらなかった。
豪ドル・円(東京時間:11月11日―11月15日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 100円65銭
高値: 101円38銭
安値: 100円34銭
終値: 101円01銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
11月12日
8時30分、11月Westpac消費者信頼感指数(前月比)、前回:6.2%、結果:5.3%
9時30分、10月NAB企業景況感、前回:7.0、結果:7.0
11月13日
9時30分、第3四半期賃金指数(前期比)、前回:0.8%、市場予想:1.0%、結果:0.8%
9時30分、第3四半期賃金指数(前年比)、前回:4.1%、市場予想:3.7%、結果:3.5%
11月14日
9時30分、10月失業率、前回:4.1%、市場予想:4.2%、結果:4.1%
9時30分、10月雇用者数、前回:6.13万人、市場予想:2.80万人、結果:1.59万人
11月20日
8時30分、10月Westpac先行指数(前月比)、前回:0.03%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週の豪ドルは、国内で目立った経済指標の発表がないほか、日米も重要イベントを通過したことなどから方向性の乏しい展開が続きそうだ。為替市場では、トランプ次期政権への思惑からドル独歩高の展開が続いており、ドル以外の通貨は動きにくい。
14日にブロックRBA総裁は「トランプ氏がどのような政策を実行するのかが依然として不明なため、影響を判断するのは時期尚早。貿易摩擦は中国経済にとってよくない、そしてそれは豪州にとっていいことではない」と述べており、市場同様、米中などの貿易摩擦を警戒している。
また、金融政策については「他国が金利を引き下げているが我々はインフレが緩和していると確信するまで引き続き十分な金融引き締めを続けるつもり」「豪州のインフレは予想通り鈍化したものの、物価上昇圧力は依然として高く、インフレリスクが和らいだと確信できるまで金利を安定させる必要がある」と述べた。インフレへの警戒感を意識した発言だったことから、早期の利下げ観測は後退した。
日足の一目均衡表では、転換線、基準線や100日移動平均線水準でもみ合っており方向感に乏しい。遅行スパンも実線に隠れていることから、強まっていたトレンドは軟化したと考える。7月24日以来の102円台に到達したことなどから、短期的には上への動きが強まると見ていたが、様子見ムードが強まりつつある。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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