91円前後での様子見姿勢続く、大幅利下げを織り込む地合い
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、第4四半期2年インフレ予想が前回比でやや上昇したが、目立った売買は観測されず。豪ドル同様、方向感に乏しい小動き推移となった。
11日にニュージーランド準備銀行(NZ中銀)が公表した四半期調査によると、第4四半期の期待インフレ率は2.12%と前期の2.03%から上昇したが低い水準に留まったことで、今月3会合連続の利下げが実施されるとの見方が強まった。
NZドルは豪ドル同様、週を通して横ばい推移となり方向感に乏しい展開となった。トランプ次期政権に対する思惑でドルが主要通貨に対して上昇したが、円は小動き。NZドルは91円を挟んだもみ合い相場となった。
NZドル・円(東京時間:11月11日―11月15日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 91円20銭
高値: 92円05銭
安値: 90円72銭
終値: 91円54銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
11月11日
11時00分、第4四半期2年インフレ予想、前回:2.0%、結果:2.1%
11月18日
6時45分、第3四半期生産者物価指数(前期比)、前回:1.1%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルは、豪ドル同様、方向感に乏しい横ばい推移となりそうだ。27日に開催されるNZ中銀会合では3会合連続の利下げ実施が織り込まれており、市場では0.50%か0.75%かに関心が向かっている。次回会合まで通常より長い3カ月の間隔が空くことから、景気低迷への積極的な対応が求められており、大幅な利下げ実施の公算が大きい。
来年のNZ中銀最初の会合は、トランプ氏が米大統領に就任してから約一カ月後の2月19日に実施されることから、その時には経済情勢が大きく変わっている可能性がある。中国など幅広い国の関税引き上げを含むトランプ氏の政策がインフレ率を押し上げるとの懸念から、金利が世界的に急上昇しており、NZも主要な短期スワップ金利が19bp上昇する場面が見られた。
NZ中銀は、自国経済を考慮すると大幅な利下げを実施したいが、トランプ次期政権の方向性を見極め、ある程度先手を打つ必要に迫られている。非常に難しい判断ではあるが、0.75%の大幅利下げを予想する関係者も多い。
日足の一目均衡表では、雲のねじれを無事に通過した後、上への動きを強めたが、足元は上げ一服となっている。遅行スパンも実線水準で推移しておりトレンドレスの状況だ。上値抵抗線だった100日移動平均線は上回っているが、雲上限水準の90円水準までの下げは頭に入れておきたい。
NZドル円日足
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