豪ドルにつられる展開、「雲のねじれ」などが意識されて90円割れを警戒
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、目立った経済指標が発表されなかったことから、経済的なつながりの深い隣国の豪ドルにつられ、やや軟調推移となった。
10月31日に発表された10月のANZ企業間信頼感は前回の60.9を上回る65.7となったほか、11月1日の9月住宅建設許可は前回の−5.3%を大幅に上回る2.6%と良好な経済状態が確認できたが、重要な経済指標ではなかったことなどからNZドルへの影響は限定的となった。
11月4-5日の豪準備銀行(RBA)会合を前に、第3四半期消費者物価指数や9月小売売上高が弱かったことなどから、早期の利下げ観測がやや高まり豪ドルは下落。NZドルは豪ドルにつられる格好となった。なお、衆議院選挙後、日本円は政局不透明感が強まっているが、日銀金融政策決定会合もほぼ想定線だったことなどから、円を中心とした目立った売買は観測されなかった。
NZドル・円(東京時間:10月28日―11月1日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 91円05銭
高値: 91円85銭
安値: 90円43銭
終値: 90円74銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
10月31日
9時00分、10月ANZ企業間信頼感、前回:60.9、結果:65.7
11月1日
6時45分、9月住宅建設許可、前回:−5.3%、結果:2.6%
11月6日
6時45分、第3四半期失業率、前回:4.6%
6時45分、第3四半期雇用者(前期比)、前回:0.4%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルは、11月6日の第3四半期失業率以外、目立った経済指標の発表が予定されていないことから、引き続き豪ドルにつられる展開となろう。4-5日のRBA会合では政策金利4.35%据え置きの公算が大きいが、足元の経済指標を踏まえたRBA声明に注目が集まっている。これまでの「タカ派」路線がやや軟化する可能性があることで、豪ドルの動向に注目だ。
日足の一目均衡表では、雲上限を上回っているが、100日移動平均線に頭を押さえられている。転換線、基準線をそれぞれ下回っているほか、遅行スパンが実線をもみ合っていることなどからトレンドは弱まっている。雲のねじれを意識した下向きの動きには警戒したい。一時的には90円割れの場面が見られる可能性はある。9月下旬から10月上旬につけた89円80銭台が下値メドとして意識されそうだが、この水準を割り込むと雲のねじれが位置する89円10銭台がターゲットとなる。
なお、11月5日に米大統領選挙の結果が判明する。トランプ元大統領、ハリス副大統領どちらになるかわからない状態だが、トランプ氏であればドル高、ハリス氏であればドルはさほど動かずといった見方がある。大勢が判明する東京時間6日正午辺りには、ドルが荒い値動きを見せる可能性があるので注意したい。
NZドル円日足
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