弱い経済指標で売り優勢の展開に、24日のRBA理事会でタカ派路線転換か
【今週末から来週の豪ドル】
今週末から来週の豪ドルは、経常収支や実質GDPなど弱いオーストラリア経済指標を受けて、早期の利下げ観測が高まり、豪ドル売り優勢となった。
3日にオーストラリア統計局が発表した第2四半期(4-6月期)経常収支が107億豪ドルの赤字となった。赤字幅は2018年4-6月期(131億豪ドルの赤字)以来6年ぶりの大きさで、市場予想の55億豪ドルの赤字を大きく上回った。オーストラリア統計局は、オーストラリアの輸出品である鉄鉱石や石炭の価格下落が大きいと指摘。
4日に発表された第2四半期GDPも実質成長率が前期比0.2%増と市場予想通りだが、低い成長率となったことから、市場では、想定以上の経常収支の悪化と低い成長成立を受けて、オーストラリア経済減速懸念が高まり、早期の利下げ実施ムードが強まった。豪ドルは3日に100円台に迫る場面も見られたが、4日以降、下落。3円超の値幅となった。
豪ドル・円(東京時間:9月2日―9月6日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 99円00銭
高値: 99円89銭
安値: 96円11銭
終値: 96円52銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
9月2日
10時30分、7月住宅建設許可(前月比)、前回:−6.4%、市場予想:2.4%結果:10.4%
9月3日
10時30分、第2四半期経常収支、前回:−63億豪ドル、市場予想:−55億豪ドル、結果:−107億豪ドル
9月4日
10時30分、第2四半期実質GDP(前年比)、前回:1.3%、市場予想:0.9%、結果:1.0%
10時30分、第2四半期実質GDP(前期比)、前回:0.2%、市場予想:0.2%、結果:0.2%
9月5日
10時30分、7月貿易収支、前回:54.25億豪ドル、市場予想:50.00億豪ドル、結果:60.09億豪ドル
9月10日
9時30分、9月Westpac消費者信頼感指数、前回:2.8%
10時30分、8月NAB企業景況感、前回:6.0
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週の豪ドルは、10日の経済指標以外、国内では目立った売買材料に乏しいことから、外部環境睨みの展開となろう。売りが強まった豪ドルだが、オーストラリア準備銀行(RBA)ブロック総裁がタカ派路線のコメントを発したこともあり、売りは一巡すると見る。
5日、ブロックRBA総裁は、「インフレが依然として高すぎるため、近い将来の利下げを検討するのは時期尚早」との認識を改めて示した。「経済がおおむね予想通り推移した場合、理事会は近い将来に利下げを行う位置にあるとは想定していない」「インフレ率を2−3%の目標レンジまで抑え込むことが引き続き最優先事項」だと述べた。
ブロックRBA総裁は、RBAの基本シナリオにかなりの不確実性があると認め、理事会がいかなる状況の変化にも適切に対応すると説明。高いインフレ期待が定着した場合は、RBAとしてさらに経済成長を抑える必要が生じるとした。
ただ、足元の経済指標の弱さを考慮すると、高い政策金利を維持することでオーストラリア経済に与える影響は大きいことから、9月24日に開催されるRBA理事会では、利下げ検討を含めたハト派な声明及び総裁発言が出ると想定する。
日足の一目均衡表では、転換線、基準線ともに下向きとなっており、遅行スパンも実線に頭を抑えられた格好となっている。20日移動平均線を下回っていることから、やや下を意識した地合いか。仮に下値模索の展開となった際は、基準円が位置する95円水準が意識されそうだ。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.10.12
南アランド円週報:『約2カ月半ぶり高値圏へと急上昇。上昇トレンドの継続を想定』(10/12朝)
南アランドの対円相場(ZARJPY)は、9/11に記録した安値7.85円をボトムに切り返すと、週末にかけて、約2カ月半ぶり高値8.58円まで上昇しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.10.12
トルコリラ円週報:『約1ヵ月半ぶり高値を更新。来週はトルコ中銀会合に注目』(10/12朝)
トルコリラの対円相場は9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、今週半ばにかけて、約1カ月半ぶり高値となる4.37円まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.10.12
来週の為替相場見通し:『ドル円は約2カ月ぶり高値を更新。心理的節目150.00が射程圏内』(10/12朝)
ドル円は9/16に記録した安値139.58をボトムに切り返すと、週後半にかけて、約2カ月ぶり高値となる149.57まで上昇しました。
-
オーストラリアドル(AUD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.09.13
豪ドルWeekly 一時93円台まで下落、日米中銀会合を睨んだ格好だが底堅さも意識(24/9/13)
今週の豪ドルは、目立った売買材料に乏しいなか、日銀による追加利上げ観測の高まりを背景に円高傾向が強まり、8月6日以来となる93円台まで下落した。
-
オーストラリアドル(AUD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.08.30
豪ドルWeekly 戻りを試しそうな形状のなか、低成長予想の第2四半期GDPに警戒(24/8/30)
豪ドルは目立った動きは観測されず、98円前後の横ばい推移となった。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。