豪ドルにつられる展開、89円水準の雲下限を下値支持として意識へ
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、国内経済指標の発表が無かったことなどから、経済的につながりが強いオーストラリア経済減速懸念を嫌気した豪ドル売りにつられる格好となった。
NZドルは、景況感の強さなどを背景に8月5日の安値83円07銭からの反発が継続。今週3日、91円76銭まで上昇した。ただ、3日に発表されたオーストラリアの第2四半期経常収支が107億豪ドルの赤字と市場予想を大幅に下回ったほか、2018年4-6月期(131億豪ドルの赤字)以来6年ぶりの赤字幅の大きさとなった。弱い経済指標を受けて、早期の利下げ観測が強まったことから豪ドルは急落。NZドルもつられ、3円超の下落となった。
NZドル・円(東京時間:9月2日―9月6日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値:91円28銭
高値:91円76銭
安値:88円62銭
終値:89円09銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
9月10日
7時45分、第2四半期製造業活動、前回:0.7%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルは、10日の第2四半期製造業活動以外、目立った経済指標の発表は予定されていないことから、引き続き経済的なつながりの強いオーストラリアや中国の経済指標等に影響を受けそうだ。
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は8月の金融政策決定会合にて0.25%利下げを実施したが、0.5%利下げも検討したことでNZドル売り要因となった。一方、RBNZの金融政策決定会合は10月9日まで開催されないことから、9月24日に開催されるオーストラリア準備銀行(RBA)の金融政策決定会合に関心が向かおう。
5日にブロックRBA総裁が「インフレが依然として高すぎるため、近い将来の利下げを検討するのは時期尚早」との認識を改めて示すなどタカ派路線を貫いているが、オーストラリア経済減速懸念が強く意識され始めていることから、24日のRBA理事会では「利下げ検討」といった何かしらの方針転換が公表されるだろう。こうした思惑が高まっていることから、豪ドルの上値はしばらく重くなりそうだ。NZドルもその流れにつられる公算が大きい。
日足の一目均衡表では、今週の下落によって転換線を下回っているが、転換線、基準線ともに横ばいで推移しているほか、遅行スパンが一時実線を上回る場面が見られるなどトレンドはさほど悪化していない。雲下限が一気に89円水準まで切り下がったことから、来週は自然体で雲に突入する可能性もある。目立った下値支持が見当たらなかっただけに雲下限が下値支持となれば、より落ち着いた動きも期待できよう。
NZドル円日足
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