『ドル円に連れ急落するもテクニカルファンダメンタルズ共に上昇基調継続示唆』
〇今週の南ア円、南ア政局不透明感後退、株価の堅調、ドル円上昇に週央にかけ8.95まで上昇
〇買い一巡後は、南ア指標不冴え、ドル円大暴落に週末にかけ8.75まで急落
〇テクニカルには、日足が主要テクニカルポイントの上側に位置、強い買いシグナルも継続、地合い強い
〇ファンダメンタルズも円キャリー長期化期待、政局不透明感の後退と外国資金再流入期待等がサポート
〇引き続き、南アランド円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.70ー9.00
今週のレビュー(7/8−7/12)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初8.84円で寄り付いた後、(1)南アフリカを巡る政局不透明感の後退や、(2)株式市場の堅調推移(世界的なリスク選好ムード)、(3)ドル円相場の力強い動き(ドル円上昇→南アランド円連れ高)が支援材料となり、週央にかけて、週間高値8.95円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)南ア5月製造業生産(結果▲0.6%、予想+0.2%)の市場予想を下回る結果や、(5)ドル円相場の大暴落(米CPIの伸び率鈍化+政府・日銀による為替介入観測+ドル円ロング勢の大量清算の組み合わせでドル円が161円台後半から157円台前半まで大暴落→南アランド円連れ安)が重石となり、週末にかけて、週間安値8.75円まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/13午前4時30分現在)では、8.78円前後で推移しております。
来週の見通し(7/15−7/19)
南アランドの対円相場(ZARJPY)は、ドル円に連れて急落する動きとなりましたが、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、一目均衡表基準線、雲上限、ボリンジャーミッドバンド)の上側に位置していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること、対ドル相場が直近高値圏で力強く推移していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「強い」と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南アフリカランドと日本円の金利差に着目した円キャリートレードの長期化期待や、(2)南アフリカを巡る政局不透明感の後退(先日の閣僚人事でDAから6ポストが選出された他、市場参加者からの信認の厚いゴドンワナ財務相の留任も決定)、(3)上記2を背景とした外国人投資家による資金再流入期待、(4)米FRBによる早期利下げ観測再燃(米CPIの伸び率鈍化を受けて9月FOMCでの25bp利下げを織り込む動き→米金利低下→新興国から米国への資金流出圧力後退)、(5)金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)など、南アランド円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(今週の下落はあくまでドル円相場の下落に連れた一時的な動きに過ぎず、南アランド自体の堅調さは健在→一巡後の反発に期待)。尚、来週は南ア5月小売売上高や、南ア中銀金融政策決定会合(米FRBの利下げ開始前に南ア中銀が利下げに踏み切る可能性は乏しいため、来週の会合は無風通過となる公算大)に加えて、南アフリカと経済的な結びつきの強い中国の主要経済指標(中国第2四半期GDP、中国6月鉱工業生産、中国6月固定資産投資、中国6月小売売上高)にも注目が集まります。
来週の予想レンジ(ZARJPY):8.70ー9.00
南アランド円日足
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