ドル円 短期のドル高基調は終了か、上値重そう(週報7月第3週)

先週のドル/円相場はドルが大幅安。6月17日以来の157円前半を一時示現する局面も観測されていた。

ドル円 短期のドル高基調は終了か、上値重そう(週報7月第3週)

短期のドル高基調は終了か、上値重そう

〇先週のドル円、7/11米CPI後、日本当局の実弾介入も取り沙汰され157円台まで4円超える下落
〇日銀当座預金残高の見通しを参考に「3-4兆円規模の介入が行われた」ことほぼ確実視
〇日経、7/12当局がレートチェックをユーロ円で実施したと報じる
〇クロス円が持ち直し再び上値試すなら、ドル円持ち直しの動きも強まる可能性
〇160円前後まで値を伸ばした21日MA割り込み強い抵抗として意識、ドルの戻り抑制するか
〇「バイデン降ろし」に加えて「トランプ氏狙撃事件」もあり米大統領選の動きは要注視
〇ドル高円安方向、159円半ばが最初の抵抗、先週末の実弾介入が事実ならドルは買いにくくなる可能性も
〇ドル安円高方向、先週安値157.30めぐる攻防に注目、下回るとフィボナッチポイント156.90意識
〇今週のドル円予想レンジ:156.50-160.50

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円相場はドルが大幅安。6月17日以来の157円前半を一時示現する局面も観測されていた。

前週末に実施されたフランス国民議会選挙は、予想外ともいえる結果で「左派政党連合が第1党」に。一方、先月末のテレビ討論会以降バイデン氏の米大統領選撤退の動きが加速しており、実際にマサチューセッツ州知事などから直截的な発言も聞かれていたようだ。
そうした状況下、週明けのドル/円は160.70円レベルで寄り付いたのち、週半ばには週間高値の161.81円を示現。3日に記録した年初来高値をうかがう展開をたどるなか、11日に発表された米指標を受けて様相が一変。日本当局の実弾介入が取り沙汰されたこともあり、ドルは一気に157円台まで4円を超える下落となった。以降も乱高下で相場がなかなか落ち着かないなか、週末NYは週間を通した安値圏の157.90円前後で取引を終え越週している。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「米金融政策」と「為替介入など」について。
前者は、9-10日に実施されたパウエルFRB議長の議会証言が、予想ほどハト派でなかったとの声が多く、為替市場ではドルの支援要因となっていた。一連の動きのなか、ドル/円は週間高値161.81円を示現。しかし、翌11日に発表された注目の米消費者物価指数が流れを一変させる。前年同月比プラス3.0%も予想を下回る内容で嫌気されたが、さらに前月比がなんとマイナス0.1%となったことがマーケットの大きな失望を誘う結果に。ちなみに、前月比でマイナスになるのは2020年5月以来約4年ぶりのこと。そうしたなか、サンフランシスコ連銀総裁から、「最近の指標がインフレの鎮静化を示していることは安心材料」とのコメントが聞かれるなど、週末に掛けては一転して弱気ムードが優勢な状況だった。

それに対して後者は、前述した11日のNY時間、米消費者物価指数発表後のドル急落時に、日本の政府・財務省による為替介入が実施されたとの憶測も同時に飛び交っていた。神田財務官は「平時でも有事においても基本的には為替介入をやったか否かは言わない」と煙に巻いたが、毎日新聞は「政府関係者がドル売り・円買いの為替介入を実施したと明らかにした」と報道。また、そののち日銀が公表した当座預金残高の見通しを参考に、「3-4兆円規模の介入が行われた」ことは、ほぼ確実視されていたようだ。一方、それとは別に週末12日の東京時間には、当局が市場参加者に相場水準を尋ねる「レートチェックをユーロ/円で実施」したと日経新聞が報じたうえ、同NY時間に2日連続となる実弾介入に動いた可能性も取り沙汰されている。なお、こちらについても神田財務官は「申し上げることはない」とノーコメントだった。

<< 今週の見通し >>

ドル/円相場は162円を目前に反転し、そのまま157円台まで下落。ドル下落の半分は日本当局による実弾介入という人為的なものだが、値動きそのものだけをみるとドルの上値追いは一旦終了した感がある。しかし、チャートの形状的に見て、長期的な円安基調そのものはまだ続いている可能性があることも付記しておきたい。上記したように、先週レートチェックが入ったとも言われるクロスが持ち直し、再び上値を試すようだと、ドル/円も持ち直しの動きが強まることになりそうだ。
市場は日米金融政策が依然として注視されており、そうした意味では今週も発表される米経済指標ならびに、日本の指標などにも一喜一憂する展開か。もちろん内容次第だが、2週続けての荒い値動きも否定できない。一方、それとは別に幾つかの意味で、米大統領選が風雲急を告げる動きとなっている。「バイデン降ろし」に関する動きも当然注目されるが、15日からの米民主党大会を前に起こった、この週末の「トランプ氏狙撃事件」も衝撃だった。本稿執筆時にトランプ氏の命に別状はないと伝えられているものの、続報などをしっかりとウォッチしておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は足もと160円前後まで値を伸ばしてきた移動平均の21日線を、現在しっかりと割り込んでいる状況。ドルはこのあと再び上昇に転じるにしても、21日線が強い抵抗として意識されそうだ。ドルの戻りを抑制しそう。
それに対するドルのサポートは、まず先週安値の157.30円で、これを下回ると5月安値151.86円を起点とした上げ幅の半値押しにあたる156.90円がターゲット。そして61.8%押しは90日線なども近い155.70-75円となる。

そうしたなか今週は、6月の小売売上高やベージュブックといった米経済指標の発表が予定されているうえ、日本の消費者物価指数や中国経済指標の発表など、米国以外でも材料は多い。また中国で開催される、いわゆる「三中全会」やECBによる政策金利発表なども波乱要因となりかねない。

そんな今週のドル/円予想レンジは、156.50-160.50円。ドル高・円安については、159円半ばが最初の抵抗。先週末NYの実弾介入が事実とすれば、159円台前半で介入していたことになり、心理的にドルはさらに買いにくくなる可能性も。
対してドル安・円高方向は、先週末に記録した週間安値157.30円をめぐる攻防にまずは注目。下回ると強いサポートはうかがえないなか、前述したフィボナッチポイントの156.90円などが意識されそうだ。

短期のドル高基調は終了か、上値重そう

ドル円日足



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