手がかり材料難だが、上値抵抗ライン突破は近い
今週の豪ドルは、雇用者数が想定以上に減少したものの、週間の値幅は1円未満の動意に欠ける展開となった。
18日に発表された12月の雇用者数は、6万5100人減少した。11月が6万5000人増加(修正後:7万2600人増加)、市場予想は1万5000人増加だったことから、前月、市場予想ともに大幅に下振れた。
フルタイム雇用者数は月間ベースで新型コロナウイルスのパンデミック以降、最大の落ち込みとなった。また、失業率は市場予想通りの前月と同じ3.9%のまま。求職者が大幅に減少したことが背景にある。
市場では、オーストラリア準備銀行(豪中央銀行)が年内にも利下げを実施するとの観測が強まったことで、豪ドルは売られたが、発表後は0.4%ほどの下落に留まった。17日、経済のつながりが強い中国の12月小売売上高や、住宅関連の経済指標の悪化が伝わったものの、影響は限定的となった。
豪ドルは主要通貨に対して買われていたUSドルにつられる格好となり、97円台を挟んでのもみ合いとなった。
豪ドル・円(東京時間:1月15日―1月19日(終値は9時台終値を参照))※Investing.comの日足を参照
始値:96円94銭
高値:97円50銭
安値:96円57銭
終値:97円47銭
【来週の重要指標】
※時間は東京時間
1月23日
9時30分、1月NAB企業信頼感、前回:−9
9時30分、1月NAB企業景況感、前回:9
1月24日
8時30分、12月ウェストパック景気先行指数(前月比)、前回:0.07%
※予定は変更することがございます。
【来週の見通し】
来週の豪ドルは、目立った経済指標の発表が予定されていないことから、引き続きUSドルの動向に引っ張られる展開を想定する。
12月雇用者数の大幅な下振れでも豪ドルが底堅い以上、USドルの動向を見るしかない状況だ。1月31日に発表される10−12月のCPI発表まで、豪ドルは様子見と考える。
短期的なテクニカル面では、1月以降、じりじりと切り上げている20日移動平均線をサポートとした推移が見られる。1月高値97円82銭を上抜けると、23年11月15日高値98円65銭と同年11月24日高値98円57銭を結んだ上値抵抗ライン突破が見てくる。
中期的には、7月28日安値91円79銭、10月3日安値92円99銭、12月安値93円77銭と下値を切り上げており、やや上向きのトレンドが続いていると言えよう。
日足の一目均衡表でも、雲上限をほぼ自然体で上抜けたほか、遅行スパンが実線を上回っており、投資家のモメンタムは良好といえよう。
テクニカル面では、短期、中期ともに上を意識した形状となっている。USドル頼みのような地合いではあるが、明確な上放れを試すのは1月末の10−12月のCPI発表のタイミングと見ている。
なお、2024年一回目の豪中銀理事会は2月6日に開催される。今年は、1月22−23日の日銀金融政策決定会合を皮切りに、同25日に欧州中央銀行(ECB)理事会、1月30−31日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、2月1日にイングランド中央銀行(BOE)金融政策委員会が開催されることから、豪中銀は各中銀の方向性を確認する余裕がある。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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