下値しっかりで昨年来高値91円54銭の更新は近い
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、経済指標の低迷が上値を抑えたが、強いUSドルに支えられて91円台手前でのもみ合いとなった。
18日に発表された12月RENZ住宅売上高は前年比12.2%増と前回の14.1%を大幅に下回ったほか、19日の12月ビジネスNZ製造業PMIは43.1と前回の46.7(修正:46.5)を大幅に下回った。
NZドルは17日に90円を割り込む場面が見られたものの、来週発表される第4四半期CPIへの期待感などがNZドルの下支えとなったもよう。また、強いUSドルにつられたことも影響して、90円半ばでの推移となった。
NZドル・円(東京時間:1月15日―1月19日(終値は9時台終値を参照))※Investing.comの日足を参照
始値:90円53銭
高値:90円81銭
安値:89円88銭
終値:90円60銭
【来週の重要指標】
※時間は東京時間
1月24日
6時45分、第4四半期CPI(前期比)、前回:1.8%、市場予想:0.5%
6時45分、第4四半期CPI(前年比)、前回:5.6%、市場予想:4.7%
※予定は変更することがございます。
【来週の見通し】
来週のNZドルは24日の第4四半期CPIに注目が集まろう。
24日のCPIは、前期比、前年比ともに前回を大幅に上回ると見込まれていることから、強い数字が確認できた際は、ニュージーランド準備銀行(NZ中銀)による追加の利上げ実施への思惑が高まりやすい。
一方、経済的なつながりが深い隣国のオーストラリアは、1月31日に10−12月期CPIを発表する。豪月次CPIや豪雇用者数発表後の豪ドルが動かなかった理由として、月末に発表される四半期CPIの結果を見極めたいとするムードが強かったと想定する。
月末の豪10−12月期CPIへの注目は高いことから、24日のニュージーランドCPI発表の影響は限定的となる可能性がある。
また、2024年一回目のNZ中銀が開催する金融政策理事会(現在、5.5%と約15年ぶりの高水準)は、2月28日と日米欧の主だった中銀会合のスケジュールでは最も遅いことから、1月のNZドルは自国経済の材料では小動きに留まると想定する。
ただ、テクニカル面では、昨年12月1日につけた昨年来高値の91円54銭に1円弱まで迫っており、上を意識しやすい地合いと考える。
日足の一目均衡表では、雲上限を上放れており、遅行スパンも実線を上抜いた。また、20日移動平均線や50日移動平均線などを上回っていることから目立った上値抵抗線も存在しない。昨年来高値を上抜けると2015年4月以来の92円台乗せも視野に入ろう。
なお、月足で豪ドルと見比べると、2022年9月高値水準で上値が重くなった豪ドルよりも、2015年4月以来の水準まで上昇しているNZドルの方が長期トレンドでも分があると考える。
NZドル円日足
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