シカゴポジション(CME)388
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)
(2023年5月30日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週締日までの4通貨は、ドル円を除き、ポジション調整の1週間でした。豪ドルは利益確定の動き、NZドルは完全にスクエアが続き様子見となっています。円は一段とドルロングを積み増してドルの一段高狙い、ユーロは下押しが続く中でロングを減らしています。
まずは豪ドルですが、相場観通りの動きにポジションを一部利確してきました。これまでは我慢を強いられた時間帯もあったので、手仕舞いしたようです。総枚数ではポジションを膨らませており、2020年3月3日週の181,642枚以来で、それを僅かに越える182,064枚になっています。3年前も豪ドルショート戦略で、翌週に豪ドルのロングサイドを手仕舞いしてショートを積み上げた形とし(総枚数減)、更に翌週は一気にショートポジションを半減させ利確しています。当時3月3日週が0.6583の終値で、3週後終値が0.5959の底値、更に3週後は0.6442まで回復しているので、シカゴのショートカバーの勢いはかなりのエネルギーを出したようです。今回が5月31日に0.6458の底値を付けから140ピップス程度戻していますが、いよいよショートカバーするのか明日のネットショート枚数が気になります。丁度豪州中銀の金融政策発表があるので、乱高下の一因になるかもしれません。NZドルは様子見を続けています。シカゴが豪ドル高に戻し始める動きになれば、NZドルも連れ高になる可能性がある位で、まだ暫く様子見と思います。
円は大幅にドルロングを積み上げており、目安となる10万枚近くまできました。締日までの1週間レンジは138円23銭〜140円93銭です。このまま暫く8万枚〜11万枚で推移すれば、140円は通過点の相場観になると思います。もしここで一気に15万枚を目指す流れに入れば相場観としては145円狙いと思いますが、今後2〜3週の動きが重要になりそうです。因みに昨年10月21日に151円95銭の高値付けた週の締日がネット102,618枚の円ショート最大でした。3週後には65,000枚まで手仕舞いしています。この140円で手仕舞いしてくるか見たいと思います。ユーロはポジション調整の1週間になりましたが、まだ16万枚以上のロングを抱えているので、ユーロ先高の相場観は変わりません。
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
シカゴはネットショートが130枚ですので、引き続きスクエアで変わらず、相場観なしとなっています。総枚数もほとんど変わらないので、今後は豪ドルの流れに付いていくと思います。下図(2)のチャートを見ると、黒のNZドル安トレンドラインが0.5620〜0.6340にあり、2週前まではレンジ上限に近いところで推移していましたが、先週締日の終値は大きく下落しています。今週新たに3月7日終値(0.6106)と4月25日締日終値(0.6136)を結んだ緑のサポートが0.6160付近にあり、抵抗線となっています。今週も明日の締日で越えられるか否かをみます。
さて実際の相場は、先週「…NZドルはかなり弱い状況に入っています。今週以降はまず心理的サポートの0.60を維持出来るか否かとなります。もし大台割れになった場合は0.5940〜50、0.5900、0.5850の順にあるサポート狙いになります。上値はこれまでのサポート0.6130以上を越えないとNZドルは弱いままです」としましたが、底値は5月31日の0.5985までで、終値は0.6021となり大台を守っています。まだNZドルは弱いですが、一段安にはまず日足終値で0.60未満が2日連続で欲しいところです。この場合には0.5940〜50、0.5890〜0.5900狙いに入れます。一方、上値はこれまでのサポート0.6130を越えて終わらない限り、ここが当面の上値になります。今週は0.6000〜0.6130レンジを見ておき、どちらに抜けるかを確認します。上抜けの場合は0.6170〜80、0.6220、0.6260〜70の順に抵抗線あり、NZドルの売り場探しになっています。明日の豪州中銀金融政策発表である程度の流れは出てくるとみています。
(1NZドル=0.6048米ドル、6月5日10:30)
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。
棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、
折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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