NZ中銀金融政策記者発表
本日NZ中銀の金融政策会合で、オフィシャルキャッシュレート(OCR)を現行の4.25%から4.75%へと、50ベーシスの利上げを実施しました。上げ幅は市場の予想通りとなりました。
今後も引き締めを継続する意向を示しています。
尚、3ヶ月毎の経済見通しの中で、OCRの上げ幅や時期は前回11月とほとんど変わりませんでした。一方、先々のCPIは2024年に入っても下がり方が緩やかな見通しに変更しています。利下げ開始時期先送りの様相です。
(1)記者発表の和訳
委員会は、中期に亘りインフレ目標内に回帰させることを確実にするため、11月声明に明示されている様に、OCRをまだ引き上げる必要があることで合意した。物価圧力緩和の初期の兆候はあるが、消費者物価指数のコアは依然として高過ぎ、雇用も持続可能な最大水準を超えており、短期的なインフレ期待も依然として高いままである。
サイクロン・ガブリエルやその他最近の厳しい気候情勢が多くのニュージーランド人の生活に壊滅的な影響をもたらした。破壊や経済的混乱が今明らかになっているものの、これらの気象事変が金融政策に与える影響を正確に評価するにはまだ時期尚早である。政府の財政対応の時期、規模やその性質もまだ未定である。
委員会の現在の評価は今後数週間で、幾つかの商品価格が上昇するかもしれないし、その動きは以前の予想よりも弱くなるかもしれないということである。輸出収支はマイナスの影響を受けるだろう。金融政策は中期的な視点で設定されており、委員会はこれらの短期的な産出変動や直接的な価格への影響を見守る。早晩、経済における既存の稼働力の制約を見ると、インフラや地域社会の再建が経済活動やインフレ圧力に加わるだろう。
国際的にも、コアインフレは依然として高く、インフレ圧力は広範に及んでいる。しかしながら、2023年の世界経済活動の見通しは抑えられている。それは、NZの主要商品輸出への需要と同様に、世界的な消費者物価圧力が低下する方向に動いているからである。サービス輸出の継続的な伸びが幾つかの輸出収入を相殺するだろう。
国内では、活発な家計消費、建設活動、政府支出、あるいは国境再開に伴う世界的な観光業の回復などに支えられ、2022年を通して需要は堅調に推移した。労働不足は経済活動を著しく制約し、賃金インフレの高まりに寄与している。人々は、労働不足や強い需要に符合し、高いペースで仕事を変えている。
需要緩和の初期の兆候はあるが、強い国内インフレを反映して、供給をしのぎ続けている。委員会は11月の声明に明示されている様に、インフレを年率目標である1〜3%内に引き戻すために十分な消費抑制となることを確信するまで、金融情勢を更に引き締める必要があることで合意した。委員会は金融政策伝達を達成することに断固として取り組んでいく。
(以上)
NZ中銀金融政策議事要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
(出所:NZ中銀HP)
(2)中銀のOCRとCPI見通し
OCRの見通しはほとんど変わっていないので、エコノミストの先行き利上げ予想は上方修正されると思います。また、CPIは2024年にかけて、インフレ低下が緩やかな見通しに修正されています。
NZドル米ドル相場は、予想通りの利上げ幅や今後の引き締め継続に、NZドルは堅調に推移していますが、レンジは0.6212〜45程度に留まっています。まだ昨日の予想内で記した下限0.6190サポートと上限0.6289抵抗線内で推移しています。今日はFOMC議事要旨の公表があり、これが材料視されそうです。
(2月22日13:40、1NZドル=0.6238米ドル)
次回のNZ中銀の金融政策は2023年4月5日(水曜日)に予定されています。前日4日は豪州中銀の金融政策も予定されています。
(以上)
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