トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコ円、安値7.36、予想よりトルコリラ安水準で推移し、年初来安値を更新
〇トルコ中銀会合での金利現状維持、米利上げで資金流出しやすい地合いが悪材料に
〇先週のドル大幅下落、円買いの動きがトルコリラ円下げ要因に、21年12月史上最安値に迫る
〇トルコ7月CPI、前回から悪化して80%大台乗せ予想
〇今週は7.00レベルをサポートに7.50レベルをレジスタンスとする流れをみる
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「レジスタンスが6月27日高値からのライン、サポートは6月安値の7.55レベルとし、これら両ラインの間の中での値動きからどこかで下抜けという動きを考え、7.40レベルをサポートに7.80レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.36レベル、高値が7.66レベルと、予想よりもトルコリラ安の水準で推移した一週間となりました。
先週のトルコリラは、前週の中銀会合で現状維持となったことを嫌気したトルコリラ売りが出やすいこと、米国が利上げに動くことで新興国通貨から資金が流出しやすい地合いであることとトルコリラにとっての悪材料がある中で、伏兵とも言えるドル円での円買いの動きがトルコリラ円を下げる要因となりました。
ドル円週報にも書いた通り、先週のドル円はドル高値から安値まで5円近い下げ(円高)を演じたことでクロス円全般でも円高の動きが見られました。いっぽうでドルトルコリラはドル高値圏でかなり緩やかなドル高の動きとなっていたことで、結果としてトルコリラ円は安値7.36レベルと年初来安値を更新し、2021年12月の史上最安値に少しずつ近づく動きとなりました。
今週は3日にトルコの7月CPIとPPIの発表がありますが、特に注目されるCPIは前回の78.62%から更に悪化して80%の大台乗せの予想となっています。高いインフレ率が続く中でトルコ中銀は現状維持を続けているわけですから、収まるわけも無く次はドルトルコリラで18の大台を上抜け、一段のトルコリラ安という流れがもっともありそうなシナリオです。
既に史上最安値しか目立ったサポートは無いのですが、4月高値を起点とした逆N波動から史上最安値までのターゲットを見ておきましょう。まずは週足チャートをご覧ください。
ピンクのラインで示した逆N波動からフィボナッチ・エクスパンションを計算すると、100%エクスパンションが6.99と7円の大台と重なります。当面は7円をターゲット兼サポートとする展開が続くと考えられます。
いっぽうでレジスタンスは逆N波動の最初の下げとなった安値が7.50で同水準を下抜けたことで逆N波動が確定したことから、抜けたサポートがレジスタンスということで7.50がレジスタンスとなりやすい水準です。
いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。
ピンクの水平線が7.50で、上段のトルコリラ円の下側の境界が7.00です。下値までの距離が結構あるように感じますが、中段のドルトルコリラが18.0(中段チャートの上側の境界)を上抜ける時のトルコリラ安は速そうですから、余裕を見てトルコリラ円は7.0を考えておいた方がよさそうです。
今週はテクニカルなターゲットとも重なる大台7.00レベルをサポートに、以前の安値7.50レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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