トルコリラ円見通し 円高収まらずに4営業日続落で4月28日以降の安値更新続く(22/8/2)

トルコリラ円の8月1日は7.45円から7.35円の取引レンジ、2日早朝の終値は7.35円で先週末終値の7.43円からは0.08円の円高リラ安となった。

トルコリラ円見通し 円高収まらずに4営業日続落で4月28日以降の安値更新続く(22/8/2)

トルコリラ円見通し 円高収まらずに4営業日続落で4月28日以降の安値更新続く

〇トルコリラ円、8/2早朝終値7.35、ドル円急落に同調して安値更新
〇対ドル、終値ベースでの最安値更新は一服、17.80リラ台では売られる
〇トルコ7月製造業PMI、前月から悪化して46.9、3月以降50を下回り水準を切り下げる
〇7.35以下での推移中は一段安警戒とし、7.28割れからは7.20円台前半を目指すとみる
〇7.23以下は反騰注意とするが、7.30以下での推移なら8/3日中も安値試しを続けやすいとみる
〇8/3夕刻トルコCPI発表予定、さらに下げ足が早まる可能性に注意

【概況】

トルコリラ円の8月1日は7.45円から7.35円の取引レンジ、2日早朝の終値は7.35円で先週末終値の7.43円からは0.08円の円高リラ安となった。
ドル/トルコリラにおけるドル高リラ安が進行して連日にわたり終値ベースの史上最安値更新が続く中、ドル円の急落が重なり7月28日は終値で7.49円をつけて7.50円を割り込み6月27日以降の安値を更新、6月16日安値も割り込んで一段安に入ったが、週をまたいで7月29日と8月1日も円高が継続して下げ止まれずにこの間の安値を更新している。

ドル円は7月29日午後に132.49円へ急落したところから29日夜高値134.58円まで2円強の反発が入ったものの8月1日午前には132円割れを試すところまで一段安となり、1日夜には132円を割り込み、2日午前には131円も割り込んだ。米国の利上げペースが景気後退を意識して減速するのではないかとの見方から米10年債利回りが大幅低下傾向にあり、ドル円は昨年1月以降の歴史的大上昇を支えてきた強気の梯子は外れており、140円手前まで大上昇したことへの反動で売りの連鎖が収まらない状況だが、トルコリラ円も7月後半からはドル円の動向に同調した動きが中心となり7月29日夜へ反発したところから一段安に陥っており、8月2日午前もドル円が131円割れへと一段安する中で安値をさらに更新している。

【ドル高リラ安一服で終値ベースの最安値更新は回避】

ドル/トルコリラの8月1日は17.95リラから17.82リラの取引レンジ、2日早朝の終値は17.90リラで先週末終値の17.91リラからは0.01リラのドル安リラ高だった。
6月23日終値17.35リラを7月13日に抜いたところからほぼ連日にわたって終値ベースでの史上最安値を更新し、先週末終値も最安値更新となったが、週をまたいでドル全面安が続いたことでドル/トルコリラも終値ベースの最安値更新は一服となり、12月23日以降の取引時間中の最安値も7月29日の17.98リラを超えなかった。しかし17.80リラ台では売られており、この間の最安値圏を維持しての推移だった。

【トルコの製造業PMIは5か月連続で50を割り込む】

【トルコの製造業PMIは5か月連続で50を割り込む】

8月1日夕刻に発表されたトルコの7月イスタンブール製造業PMIは46.9となり6月の48.1から悪化した。
2020年のパンデミック発生ショックで2020年4月に33.4まで悪化したところから2020年7月に56.9まで急回復したが、その後は低下基調が続いており、今年は3月に49.4へ低下して好不況の分岐点である50を割り込んだが、その後も50を下回って徐々に水準を切り下げている。

8月1日は中国財新の7月製造業PMIが50.4となり6月の51.7から悪化したが、7月31日に発表された国家統計局による製造業PMIは49.0となり6月の50.2から低下して市場予想の50.4への改善を裏切っており、景気鈍化への懸念が強まった。また8月1日夜の米7月ISM製造業景況指数も6月の53.0から52.8へとわずかながら悪化したが凡そ2年ぶりの低水準であり、先週の米4-6月期GDPが2四半期連続のマイナスとなったこと等と合わせて景気後退懸念が強まった。
ドイツの7月製造業PMI確報値が49.3、ユーロ圏の製造業PMIが49.8といずれも50を割り込んだが、トルコにとってはドイツが輸出先として第一位、米国が第二位、中国が輸入先として第二位、ドイツが第三位であり、これらの景気後退がトルコにとっても悪影響を招いている。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、7月26日朝高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして7月28日夕から8月1日夕にかけての間への下落を想定してきた。
7月29日午後安値から29日夜高値へいったん反騰してから8月1日午前に底割れとなりさらに続落しているため、現状は7月29日午後安値を直近のサイクルボトム、29日夜高値を同サイクルトップとして新たな弱気サイクル入りしているところと思われる。安値形成期は8月3日午後から5日午後にかけての間と想定されるので2日夜から3日にかけてはさらに安値更新を続けやすいと思われる。強気転換には7.40円台を回復するような反騰が必要と思われる。

60分足の一目均衡表では、7月28日早朝への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落したが、その後も両スパンそろっての悪化が続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。先行スパンからの転落が続くうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところからは下げ再開と考える。

60分足の相対力指数は8月2日午前に30ポイントを再び割り込んでおり、下げ止まり感に乏しい。20ポイント以下を試しつつ40ポイント前後へ戻すところは再び売られやすい状況と思われる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.28円をを下値支持線、7.35円を上値抵抗線とする。
(2)7.35円から7.40円手前にかけてのゾーンは戻り売りにつかまりやすいとみる。
(3)7.35円以下での推移中は一段安警戒とし、7.28円割れからは7.20円台前半(7.25円から7.20円)を目指すとみる。7.23円以下は反騰注意とするが、7.30円以下での推移なら8月3日の日中も安値試しを続けやすいとみる。また8月3日夕刻にはトルコCPIの発表もあるため、さらに下げ足が早まる可能性もあるところと注意し、8月3日夕刻を通過して下落継続の場合は7.10円台へ下値目途を引き下げる。

【当面の主な予定】

8月3日
 16:00 7月 消費者物価 前月比 (6月 4.95%、予想 2.90%)
 16:00 7月 消費者物価 前年同月比 (6月 78.62%、予想 80.50%)
 16:00 7月 生産者物価 前月比 (6月 6.77%)
 16:00 7月 生産者物価 前年同月比 (6月 138.31%)
8月4日
 20:30 週次 外貨準備高 7/29時点
8月5日
 23.30 7月 財務省現金残 (6月 266.1億リラ)
8月10日
 16:00 7月 失業率 (6月 10.9%)

注:ポイント要約は編集部

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