良好な米経済指標を好感する形で心理的節目150.00の上方ブレイクに成功
〇ドル円、米国時間午後にかけ150.30まで上昇、150円台前半での推移
〇米新規失業保険申請件数、小売売上高、フィラデルフィア連銀製造業景況指数の良好な結果等が背景
〇ユーロドル、ECB理事会の2会合連続の利下げ、ラガルド総裁のハト派発言等に1.08台前半に下落
〇ドル円、心理的節目150.00をついに突破、90日線にも到達し、地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小観測後退、中国景気刺激策、大統領選トランプ優勢報道等が支え
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの本格再開をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:149.00ー151.50
海外時間のレビュー
17日(木)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値149.24まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)日米金利差に着目した構造的なドル買い・円売り(円キャリートレードの再開期待)や、(2)欧米株の堅調推移(リスク選好の円売り再開)、(3)米新規失業保険申請件数(結果24.1万件、予想25.8万件)の良好な結果、(4)米9月小売売上高(結果+0.4%、予想+0.3%)および、同除自動車(結果+0.5%、予想+0.1%)の市場予想を上回る結果、(5)米10月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(結果+10.3、予想+3.0)の市場予想を上回る結果、(6)心理的節目150.00突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売り(オプション勢によるストップBUY)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値150.30(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/18午前2時50分現在)では、150.22前後で推移しております。
17日(木)のユーロドル相場は一段安。(1)ECB理事会での今年3回目となる25bpの利下げ決定(2会合連続利下げは13年ぶり)や、(2)ラガルドECB総裁による「インフレ率は今後数カ月間上昇する可能性があるものの、来年中には目標値まで低下する見通し」とのハト派的な発言、(3)上記1、2を背景としたECBによる追加利下げ観測(次回12/12理事会での連続追加利下げを織り込む動き)、(4)米経済指標(米新規失業保険申請件数、米9月小売売上高、米10月フィラデルフィア連銀製造業景況指数)の力強い結果、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(6)テクニカル的な地合いの悪化(最後の関門として市場参加者に意識されていた200日移動平均線の下方ブレイク)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0812(8/2以来の安値圏)まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/18午前2時50分現在)では、1.0827前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時150.30(8/1以来の高値圏)まで急伸するなど、心理的節目150.00をついに突破しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、一目均衡表転換線、基準線、雲下限、ボリンジャーミッドバンド)の上側で推移していることや、4時間足や週足ベースで強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」が成立していること等を踏まえれば、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。90日線を突破できたことで、次はいよいよ200日線(151.35前後)を試す動きとなりそうです。また、ファンダメンタルズ的に見ても、日銀による過度な利上げ期待の後退と、米FRBによる過度な利下げ期待の後退(昨日発表された米経済指標が良好な結果を示したことで、米経済のハードランディング懸念が一段と後退)が組み合わさる中、海外勢を中心に円キャリートレード再開を仕掛ける動きが増えつつあります。
中国政府・当局による景気刺激策も、リスク選好の円売りを通じて、ドル円を下支えすると見られる他、米大統領選でのトランプ氏優勢報道も、トランプトレードの再開期待を通じてドル買いを誘うと見られることから、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は本邦の9月消費者物価指数や、中国の主要経済指標(中国7ー9月期GDP統計、中国9月小売売上高、中国9月鉱工業生産、中国9月固定資産投資)、米国の住宅関連指標(米9月住宅着工件数、米9月建設許可件数など)に注目が集まります。
本日の予想レンジ:149.00ー151.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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