上下とも保ち合い放れ失敗、基本はレンジか
〇本日のドル円、一時135円半ばまで値を崩すがその後ドル買い優勢で136円レベルまで買い戻される
〇ブルームバーグが21-22日の日銀会合について「金融緩和姿勢を堅持する方針」と改めて報じる
〇株高進行などで米景気後退懸念が後退すれば為替市場も再びドルが買い進まれるか
〇本日は6月ADP雇用統計や週間新規失業保険申請件数などの米経済指標に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.40-136.60
<< 東京市場の動き >>
7日の東京市場は「行って来い」。一時ドル安に振れるも底堅く、終盤に掛けては逆にドルが買い戻されている。
ドル/円は135.90円レベルで寄り付いたものの、大きな意味ではレンジ内。ただ、レンジ内ではあるが、一時下値をうかがう展開となり136円台から135円半ばまで値を崩す局面も観測されている。しかし大きく崩れることはなく、売り一巡後は逆にドル買いが優勢に。136円レベルまで買い戻されるなど「行って来い」の値動きで、16時現在そのままドル高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「週末G20外相会議」について。
前者は、前日にジョンソン首相の不祥事に反旗を翻す格好で、スナク財務相とジャビド保健相は相次いで辞任を表明した英国だが、昨日はそれに続き6閣外相およびフリーア輸出担当相、マクリーン保全担当相も辞任を表明している。またBBCの報道では、ジョンソン氏が政府重鎮のゴーブ氏を解任したとも伝えられていたが、当のジョンソン氏は首相職に固執する姿勢を見せているという。ともかく、英政権不安がここにきて一気に噴出しており、ポンド相場に与える影響についても引き続き注目だ。
対して後者は、ロシア外相も参加し7日からインドネシアで開催されるG20外相会合に関するニュースが相次ぐ。たとえば、ドイツ外相からは「ウクライナに侵攻しているロシアがG20会合の場を一種の舞台として利用することはあってはならない」と警戒感を滲ませた見解が聞かれていたようだ。また産経新聞によると、「G20外相会合に合わせた林外相と中国、韓国との個別の外相会談を見送る方向で調整に入った」という。
<< 欧米市場の見通し >>
予定通りというべきか、ドル/円は引き続きレンジ取引。135円台を中心とした値動きで、依然として明確な方向性は乏しい。予断を許さないものの、明日の米雇用統計発表などをにらみ、本日の欧米時間も東京の流れを継いでレンジ内での一進一退が続く可能性もありそうだ。次なる動意は明日の米雇用統計発表後か。
日米金利差が拡大傾向にあることは言うまでもないが、昨日発表された6月の米FOMC議事録要旨で、7月の会合についても「0.5%または0.75%の引き上げが適切」との見方を示した反面、ブルームバーグは21-22日の日銀会合について「金融緩和姿勢を堅持する方針」と改めて報じていた。米株高進行などにより、根強くはびこる米景気後退懸念が後退すれば為替市場も再びドルが買い進まれる可能性もある。
テクニカルに見た場合、ドル/円は上値トライを失敗したことに続き、下値トライも失敗。つまり、短期的には上下ともレンジ放れが不発に終わった可能性もある。それからすると、足もとの135円前後は中間地点で、なかなか居心地の良いレベルか。時間調整とでもいうべき135円前後の動きを経て、上下どちらに放れるのか、次の一手をいまから注意しておきたいところだ。
本日は米経済指標として、6月のADP雇用統計や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表されるほか、セントルイス連銀総裁による講演など発言機会も多い。さらには前述したG20外相会議、政治的なゴタゴタが目に付く英国ではジョンソン首相が新財務相とともに経済計画を発表する予定だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.40-136.60円。ドル高・円安方向は本日東京高値136.10-15円が最初のターゲット。超えれば136.36円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値も近い135円半ばが短期的なサポートか。割り込むと、昨日安値134.95円が意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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