ドル円、底堅い動きが継続中。本日は今週のメインイベント「米雇用統計」に注目
〇ドル円、FRB関係者のタカ派発言、米長期金利の上昇等に136円前後での底堅い動き継続
〇一時135円台半ばへ下落するも、押し目買いに下支えされる
〇ユーロドルは米国時間午後にかけ、19年7ヵ月ぶり安値1.0144まで続落
〇ドル円、テクニカルの地合い強く、ファンダメンタルズも下げ基調だった米長期金利が一転上昇
〇本日は今週のメインイベントである米6月雇用統計に注目
〇本日の予想レンジ:135.25ー136.75
海外時間のレビュー
7日(木)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。アジア時間朝方にかけて、安値135.55まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、@米金利上昇に伴うドル買い圧力と、A時間外の米ダウ先物の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、B日銀による金融緩和の継続期待(日銀が7/20ー7/21の金融政策決定会合で、2022年度のインフレ見通しを引き上げる一方、成長率見通しを引き下げる方向で検討中との観測報道→国内景気下支えを目的とした金融緩和長期化期待→円売り圧力)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値136.23まで上昇しました。
その後も、CウォラーFRB理事による「利上げを前倒しし大幅に引き上げる必要」「7月に75bp、9月にはおそらく50bpの利上げを支持する」とのタカ派的な発言や、Dセントルイス連銀ブラード総裁による「FRBはインフレの急上昇に迅速に対処する必要がある」とのタカ派的な発言、E上記CDを背景とした米長期金利の更なる上昇(米10年債利回りは前日記録した2.74%から3.01%へ急上昇)が下支えとなり、本稿執筆時点(日本時間7/8午前5時15分現在)でも、136.00前後での底堅い動きが続いております。尚、注目された米ADP雇用統計は月次統計方法変更への取り組みを理由に発表が停止されました。
7日(木)のユーロドル相場は冴えない動き。@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念や、A上記@を背景としたロシア産原油や天然ガス供給への不確実性の高まり(エネルギー価格の再上昇懸念)、B欧州経済の先行き不透明感、C米当局者によるタカ派的な発言、D米金利上昇に伴うドル買い圧力、Eパリティ割れを見据えた仕掛け的なユーロ売り圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、2002年12月以来、約19年7ヵ月ぶり安値1.0144まで続落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/8午前5時15分現在)では、1.0160前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時135円台半ばへ下落するも、押し目買いに下支えされる形で136円近辺まで回復しました。ダウンサイドに複数のレジスタンスポイントを控えていることや、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転や強気のパーフェクトオーダーが継続していること、連日の底値切り上げで下値の堅さが再確認されていることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、昨日はウォラーFRB理事とセントルイス連銀ブラード総裁が共に米景気よりもインフレ抑制を重視する構えを強調するなど、米金利上昇→米ドル高の波及経路が意識されやすい地合いへと変化しました(このところ下げ基調だった米長期金利が一転上昇。3.00%の大台も回復)。
こうした中、本日は今週のメインイベントである米6月雇用統計に注目が集まります。非農業部門雇用者数(予想26.4万人)や失業率(予想3.6%)を通じて雇用情勢の堅調さが確認できる場合や、平均時給(予想0.3%)の伸び率昂進を通じて労働市場の過熱が確認できる場合などには、米経済を巡る過度な悲観論後退(株高→リスク選好の円売り)と、米FRBによるタカ派傾斜観測(米金利上昇→ドル買い)の2つの材料が組み合わさることから、ドル円には強い上昇圧力を加わるものと推察されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(目先は6/29に記録した直近高値137.01がターゲット)。
本日の予想レンジ:135.25ー136.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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