豪州中銀議事録(2016年8月16日公表:8月2日開催分)
豪州中銀の金融政策の議事録内容を一部抜粋してお送りします。(出所:豪州中銀HPから)
(議事録要旨)
最近の消費者物価指数(CPI)は下落した3月期からは0.6%上昇した。1年間では1.0%となったが、この数値は5月の金融政策会合で予想した水準に沿ったものだ。
最近の指標見ると、国内の実質賃金は低く抑えられ、賃金の伸び率が低い。国内では物価コストの下げ圧力も見られている。結果として、小売売上高の伸びも限定的となっている。一方で住宅関連のコストは上昇した。
過去数年間に亘る為替レート安の影響で輸入価格の上昇は見られたが、大局的には国内の物価下げ圧力で相殺されている。
委員会のメンバーは先行きインフレ見通しの変更はなかった。2016年で1.5%と予想。また、国内労働市場での不確実性は存在しているものの、国内インフレは今後数年間では上昇していくと予想している。
実質GDPは6月期四半期では緩やかに上昇した。これは3月期に予想したよりは強かった。比較的良好な天候が続き、輸出量が伸びた。委員達は2016年GDPの伸び率見通し2.5%〜3.5%を変更しない。2018年には3〜4%と見込んでいる。尚、住宅関連は一層伸び、輸出もLNGの拡大で伸びると見込んでいる。
為替に関しては、米ドルとユーロは貿易加重平均ではあまり変わり無かったが、円は一段の景気刺激策期待で円高が続いている。豪ドルもあまり変わりなく、人民元は対円で22%も安くなり、貿易加重平均では7%安くなった。
中国経済の成長は今後も緩やかに推移すると思われる。中国当局の目先の政策で短期的には成長を支えていくと思われるが、長期的には不透明感が残る。
商品価格は前回の会合時点よりは上昇した。また豪ドルも年初からは高くなっている。
委員達は最近のCPI指数をみると、まだインフレは暫く低く推移することを確認し、成長見通しも前向きにあることを確認した。色々な状況を勘案して、委員会は持続的な経済成長を見通せると判断し、いずれインフレは目標に向かうとみているが、今会合での緩和がそれらを改善させていくと判断した。
委員会は25ベーシスの利下げを行い、キャッシュレートを1.5%とした。8月3日から実施することを決めた。
(要旨以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
コメント
今回はエコノミスト予想に沿って、豪州中銀は利下げを実施しました。先々の追加利下げに関しては言及していませんので、次回会合ではよほどの経済指標悪化が続かない限りは据え置き予想になりそうです。
豪州中銀も概観しているように、豪州経済はさほど悪い状況ではありません。他の先進国と比較した場合、米国を除いてファンダメンタルズ格差が歴然としていると思われます。あくまでインフレ目標から乖離したCPI、雇用改善にも関わらず実質賃金の伸び悩み、2013年以降の豪ドル安が止まり2016年には若干の豪ドル高推移に懸念しているようです。
しかしながら、GDPが2.5%以上、消費者物価指数が1〜1.5%になっている現状、これ以上の緩和は次第に難しくなると思われます。この状況を見て、豪ドル高が進んだ場合に、中銀がどの様な手段を講じるか注目されます。
豪ドル/米ドルは豪ドル高トレンドに乗っているので、豪ドル押し目買いになりますが、トレンドが強まった時には確りと手仕舞いしておくことが必要になりそうです。
オーダー/ポジション状況
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