ユーロ圏5月消費者物価指数(HICP)速報値の予想
ユーロ圏HICP
(2022年5月31日9時現在予想)
本日、ユーロ圏の消費者物価指数が発表されます。前回4月は全体が予想よりやや低い数値でしたが高止まりとなっています。また、コアは予想を大きく上回りました。ユーロドル相場は発表前に1.0565付近でしたが、発表直後1.0592の高値をつけてからポジション調整売りで反落し1.0545で引けました。ただ、中国のロックダウンの影響で4月初からユーロ安トレンドになっていたので、むしろHICPが持ち高調整買い、売り場の材料になった様です。
さて、今回5月は全体・コア共に前月よりインフレ高進になります。ここ2週間程度の相場はユーロ強含みで推移しているので、今回の数値は予想より高いとユーロ買い材料になる可能性があり、逆に大きく下回った場合も、ポジション調整売りの材料となる可能性がありそうです。但し、下図を見てもインフレ自体は非常に高いので、6月9日予定のECB会合での議論にはなりそうです。また、今日の結果に対するユーロ圏関係者の発言などがあれば注意が必要となります。
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移
(黒い線より右側は今回の予想値、赤はゼロ、緑はECBインフレ目標値上限2%)
尚、HICPの前哨戦として、仏CPIの発表が予定されています。この変化をベースにしたいと思います。
ユーロ圏経済指標
(2022年5月31日9時現在予想)
下図はユーロドルの月足チャートです。今日のNY終値で5月足ができます。現状では下ヒゲ長い陽線で、4月大陰線(半値が1.0774)の半分程度を戻しています。そして底値はラインA(=1.0350)で、2017年1月底値の1.0341で2回トライしています。上値はB(=1.2270)の抵抗線でユーロが切り下がりですので、長い期間ではAとBのディセンディングトライアングルとなっています。
現状は2021年6月高値のC(=1.1210)とそこから平行に下したD(=1.0620)のユーロ安トレンドラインの下限を4月に切っていましたが、今月元に戻しています。また2017年底値からのサポートE(=1.0850)を切り、現状では抵抗線になっています。まずCとD間で上値はこのEをこなす必要があります。ここを越えてくれば、Cまでの上値余地が広がってきます。下値は再度Dを割り、3回目トライでAも下抜くと、ユーロは一段の下落となり、かなりの下値余地が広がります。月足で6月にユーロが堅調になるには今日の終値で1.07は維持しておきたいところで、最低でもD割れなしが必要になります。
(5月31日12:20 1ユーロ=1.0750ドル)
オーダー/ポジション状況
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