米株安の流れ止まるか、為替もドル高一服!?
〇ドル円、ややドル高で先週末に記録した戻り高値106.69に一時面合わせ
〇1.9兆ドルのコロナ経済対策法案が週末に米下院で可決、3月中の成立見込み
〇トランプ前米大統領、次回2024年の大統領選再出馬の可能性に言及
〇イラン外務省報道官「EUの提案した非公式会合を開く適切なときではないと考える」
〇本日の日経平均株価は700円近い反発、時間外取引のNYダウ先物などもプラス圏で推移
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ106.10-107.00
<< 東京市場の動き >>
週明け1日の東京市場はややドル高。先週末に記録したドルの戻り高値106.69円に一時面合わせする局面も観測されていた。
先週末、NZのアーダーン首相が、新型コロナの感染拡大を理由に、同国最大都市である「オークランドに再びロックダウン」を発令。また、ミャンマーやイランなどをはじめとする様々な国際情勢が波乱要因として取り沙汰されていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は106円半ばで寄り付いたのち、日中安値の106.35円近くへと小緩むも底堅い。そののち反発に転じると、先週末に記録した戻り高値106.69円に一時面合わせしている。ただ、こちらもしっかりと超えていくことはできず、高値示現後は強保ち合いに。16時現在では106.55-60円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米国情勢」と「イラン情勢」ついて。
前者は、懸案となっていた1.9兆ドルのコロナ経済対策法案だが、週末にようやく米下院で可決となった。このあと上院での可決後、バイデン米大統領が署名して成立するわけで、3月中の成立が見込まれている。ここのところ弱含みが続く米株だが、同法案の議会通過により流れが変わる展開を期待する声も少なくない。そうしたなか、トランプ前米大統領が退任後初めて公の場で演説し、次回2024年の次期大統領選に再出馬する可能性に言及したとして話題となっていたという。
対して後者は、米国のサキ大統領報道官から、イランとの対話を引き続き模索する発言が聞かれた反面、バイデン米大統領は報復空爆でイランに警告を発していた。対応の難しさが浮き彫りになった格好だ。それに対し、当のイランは外務省報道官が、「EUの提案した非公式会合を開く適切なときではないと考える」と述べ、米国およびイラン核合意に参加している主要国との非公式の会合に参加しない考えを示している。
<< 欧米市場の見通し >>
先週末にかけて、日米株価やビットコインなどの一部暗号資産が大きく崩れた。その流れが本日以降も続くか否かがまずは注視されるところだが、本日の日経平均株価は終値ベースで700円近い反発、また時間外取引のNYダウ先物などもプラス圏での推移となっている。週あるいは月替わりしたこともあり調整も一巡、流れが変化したのかもしれない。いずれにしても、米株や金利の動きには引き続きしっかりとした注意を払いたいところだ。
材料的には、重要とされる米経済指標が週間を通して発表されるなか、本日も2月のISM製造業景況指数などの発表が見込まれている。米株や金利に対する影響、延いてはドル相場への影響という意味も含めて要注意だ。そのほか中国を中心とした国際情勢に気になる要因が少なくないが、最近はイランやミャンマー情勢も波乱要因になりかねないとして注視している向きが多く、関連のニュースにもしっかりとアンテナを張っておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末に続き本日東京でも106.70円レベルまで値を上げる展開。引き続き基本的なリスクはドル高方向にバイアスで、次のターゲットは107円前後となる。ちなみに、昨年6月高値109.85円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しも107.05-10円と非常に近い。一本調子かどうかは別にして、ドルのさらなる上値追いにも要注意だ。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「トルコ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、2月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数といった米経済指標が発表されるほか、ウィリアムズNY連銀総裁の講演をはじめ、各国要人による発言機会が相次ぐ見込みだ。もちろん内容次第だが、要人発言が相場の波乱要因となりかねないかもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは106.10-107.00円。上方向は、本日東京高値を含め直近だけで2度下げ止まった106.70円レベルをめぐる攻防にまずは注目。超えれば名実ともに107円を意識した展開となろう。
対するドル安・円高方向は、順調にドルの下値が切り上がっており、そうした意味では先週末安値の105.85円を下回れるか否かがまずは注視されているようだ。ただ、割り込んでも移動平均の200日線などがサポートとなりそうで、依然底堅いイメージ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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