WTI限月交代
WTI原油先物は、非常に多くの限月(期限の月、つまり先物の期限が満了となる最終決済月のこと)があり、5年目までは毎月、6年目から9年目までは6月と12月の限月があります。そして、原油先物では保管コスト等があるため、通常はコンタンゴ(期先のほうが高いプレミアム状態)となっています。
まずは、本日現在のWTIの取引状況を中心限月の4月から3か月先まで見てみましょう。
4月限 31.11 期近
5月限 32.95 期近+1.84
6月限 34.29 期近+3.18(5月限+1.34)
上記のように先に行くほど高いという状況がありますので、中心限月が交代する時には、その時点における期近と次の限月との差が常にギャップとして認識されることとなります。
ちなみに、WTIの限月交代は、出来高が期近と次の限月とが逆転する日であって、その後も期近は最終取引日まで取引が継続されます。限月交代は最終取引日の数日前が一般的で、最終取引日は受け渡し前月25日から3営業日前とされています。
さて、テクニカルな話はこのくらい知っておけば十分ですが、先週の3月限から4月限への限月交代時にも2ドル近いギャップがあり、最近のような原油安トレンドではそのギャップを常に埋めるということが起きてきました。
毎朝更新している到達確率チャートでは、週の途中で限月交代のギャップを発生させると見難くなるため、期近最終日まで3月限のチャートを表示し、その翌日にマニュアルで限月を週初に遡って表示させました。本来の限月交代より遅い限月交代のチャートとなりますが、週末にギャップをずらすことで、チャートとしては見やすいものになります。
そして、ギャップはどの位置であっても多少に違いはあっても存在し、到達確立チャート上では、3月限と4月限の間の週末ギャップにあと1ドルほど、つまり4月限が30ドルの大台まで下げるとチャートとして落ち着くという印象です。(到達確率チャート参照)
4か国協議後も原産の見通しは立たず、需給バランスも供給過剰が続いたままですから、今後も原油価格の下げプレッシャーは続くと見ておいたほうがよいでしょう。
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