ランド円・トルコ円レポート月曜版(2016年1月12日)
年初から昨夏に続いてのチャイナショック第2弾で激しいリスクオフの年始1週間となりましたが、東京市場が休場となった11日も南アフリカランドは早朝から急落の嵐に見舞われました。
まずは、ランド円の日足チャートをご覧ください。
昨年5月末から今朝までの日足チャートを1か月ごとに四角で囲ってあります。
これを見るとドル円が116.15レベルの安値をつけた昨年8月24日以降もランド円は上値の重たい展開が続き、12月に一段安を見せた後、年始から売りが強まる展開でしたが、昨日のランド円は参加者が少ない早朝の時間帯に10%近い急落を見せました。金曜の終値が7.18レベル、昨日の始値(午前7時)も7.16レベルと同水準から始まりましたが、スタート直後に安値6.47レベルと10%近い急落となりました。
直後に急速に値を戻し、欧州市場が始まるころには始値水準へと戻したのですが、何があったのかと考えると、東京市場が休場でそもそも参加者が少なく、かつアジア勢も参入してくる前のリキディティが薄い時間を狙って無理やりストップオーダーをつけたとしか思えない動きです。はじめはミスヒット(間違ったレートでの取引)かとも思うくらいのスパイク状のチャートでしたが、どうも7円の大台を割り込んだところにストップがあり、それを付けにいったというのが真相のようです。
ドル円やユーロドルといった主要通貨では、このように無理やり相場を動かすとしても限度がありますが、ランド円やトルコリラ円をはじめ新興国通貨においては参加者が少ない時間に仕掛けようとすると時として今回のようなとんでもない値動きとなることがあります。ストップオーダーのスリッページも大きくなりがちですから、資金管理も主要通貨以上の注意が必要となります。
既に史上最安値を更新中であり、下値のめどがつけにくいランド円ではありますが、N波動の動き(今回は下げなので逆N波動)とフィボナッチ比率から下値のめどとなり得るレートを計算してみましょう。
今度は週足チャートをご覧ください。
あまりきれいな波動とは言えませんが、2014年11月の高値から2015年9月の安値への下げと、その後10月のわずかな戻しからエクスパンションを計算します。すると、100%が6.77(昨日達成済み)、127.2%(161.8%の平方根)が6.13、161.8%が5.31というレートが出てきます。161.8%は最終的なターゲットとなり得るもののまだ距離がありますので、127.2%のターゲット6.13円という水準は頭の片隅に入れておくべきかと思います。
目先の安値は付けたと考えられますが、リスクオフの懸念が拭い去れないうちは、上値の重たい展開が続きやすいため、引き続き中国市場や原油相場といった周辺市場の動きにも注視しておきましょう。
なお、今週のランド円のレンジとしては既に目先の安値は付けたと見ていますので、6.70レベルをサポートに、7.20レベルをレジスタンスとする流れを考えています。
関連記事
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2023.05.25
トルコリラ円見通し ドル円の139円台到達でトルコリラ円も7円台回復(23/5/25)
トルコリラ円の5月24日は概ね7.01円から6.94円の取引レンジ、25日早朝の終値は7.01円で前日終値の6.97円からは0.04円の円安リラ高だった。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2021.09.08
一時「小レンジ」超えるも基調見極め慎重に(9/8夕)
8日の東京市場はドルがしっかり。値幅は引き続き狭かったが、「小レンジ」の上限である110.41円を一時超える局面も。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2020.06.01
トルコリラ円見通し 5月26日夜からの下げ一服だが、対ドルでのリラ安はぶり返し気味(6/1)
5月26日夜には16.05円まで一段高したが、その後はドル円が持ち合いで膠着する中で対ドルでのリラ安がぶり返したことで再び下落に転じた。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2016.01.15
過去1か月の変動率(2016年1月15日)
相変わらず荒っぽい値動きを続けていますが、直近1か月を見るとドル円のレンジでさえ6円88銭と昨年1年間の値幅である10円01銭の7割近い変動を見せています。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。