一時「小レンジ」超えるも基調見極め慎重に
〇本日のドル円、ドルがしっかり、20ポイント程度の値動きだが一時小レンジの上限110.41を超える
〇欧米時間もドル円続伸の期待感強いが中レンジ上限110.80で抑えられる可能性もあり見極め慎重に
〇本日発表ベージュブックの内容に要注意、明日のECB理事会結果発表に対する市場の関心も高い
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.70-110.70
〇ドル高方向は110.45レベルをめぐる攻防に注目、ドル安方向は110円挟みが目先のサポートに
<< 東京市場の動き >>
8日の東京市場はドルがしっかり。値幅は引き続き狭かったが、「小レンジ」の上限である110.41円を一時超える局面も。
ドル/円は、寄り付いた110.25円前後を日中安値に緩やかな右肩上がり。値動きはわずか20ポイント程度にとどまったものの、そのなかでドルは「寄り付き安・大引け高」といった動きをたどっていた。日経平均株価が引き続き大きく上昇したうえ、当初はマイナス圏で推移していたNYダウ先物が途中プラス圏へ転じたことなどが材料視されていたようだ。16時現在、ドル/円は110.35-40円で推移し欧米市場を迎えている。
なお、7日の中米エルサルバドル法定通貨化を受け、暗号資産(仮想通貨)ビットコインは昨日から本日東京でもやや不安定な動きをたどっていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「日本の政局など」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、菅氏の後継者争いとなっている自民党総裁選について、これまであまり語られてこなかった「政策公約」を岸田前政調会長が改めて指摘していた。「デフレ脱却へ大胆な金融政策など3本柱堅持」などとしたうえで、「数十兆円規模の経済対策を速やかに実施する」との考えを強調している。なお、そうしたなか、共同通信は「都市部軸に、緊急事態宣言を9日に延長決定する方針」と報じていた。
対して後者は、韓国の聯合ニュースが「北朝鮮は9日の建国73年に合わせ平壌で大規模な閲兵式を実施する可能性が高まった」と報じ一部で話題に。また北朝鮮情勢について、韓国外務省は「日米韓3ヵ国の特使、14日東京で朝鮮半島の核問題を協議する方向で調整」している旨を明らかにしていた。一方、それとは別に、韓国外務省の崔第1次官から「北の核施設稼働が事実だとしても、南北合意違反でない」との発言が聞かれている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は昨日の欧米時間、これといった材料がない間隙を突く格好で上昇。本日東京でも続伸し、110.41円の「小レンジ」上限を一時上抜けている。それもあり、もちろんドル続伸への期待感は強いものの、まだ「しっかり抜けた」と言えないうえ、「中レンジ」の上限である110.80円で再び頭が抑えられる可能性も否定できない。上方向のリスクを意識しつつ、いま少し状況を見極めたいところだ。
いわゆる米国ファクターとしては、ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況に変化なく、本日は発表される米地区連銀経済報告(ベージュブック)の内容に要注意。ただ、明日にECB理事会の結果発表を控えていることもあってか、欧州ファクターを警戒する声も少しずつ広がりはじめているようだ。対円やドルで戻り歩調のうかがえるユーロがさらに続伸するのかどうか、当面の動きを左右しかねないだけに市場の関心が非常に高いことは間違いない。
テクニカルに見た場合、3週間近くに及んだドル/円の109.41-110.41円という1円レンジ取引は、本日東京で一時上放れた。ただドル高基調が明確になったと考えるのは早計か。実際本稿執筆時、再びレンジ内に回帰しての値動きで、依然として一抹の不安も残っている。従来のレンジをわずかに拡大させただけで終わる、いわゆる「ダマシ」の可能性も否定できず、少なくとも「中レンジ」の上限である110.80円を超えていく動きが欲しい、などといった強気派の声も聞かれていた。
材料的に見た場合、中長期的には、日米欧と対峙するため韓国を取り込もうと画策する「中国情勢」のほか、次期自民党総裁をめぐる対決ムードが徐々に高まってきた「日本の政局」、「新型コロナ変異種(デルタ株・ミュー株)」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、7月の雇用動態調査(JOLT)や米地区連銀経済報告が発表される予定だ。また米財務省による10年債の入札、NY連銀総裁による金融政策などの講演、アフガン情勢についてオンラインで実施される「G7とアフガン近隣国の外相会合」などにも注意が必要だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.70-110.70円。本日東京で記録した110.45円レベルをめぐる攻防にまずは注目だ。上抜ければ8月高値110.80円を目指す展開に。
対するドル安・円高方向は、110円挟みが目先のサポートとして寄与しそう。割り込めば、109.67円や109.59円レベルが次のサポートとなりそうだ。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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