ランド円・トルコ円レポート月曜版(2016年1月4日)
新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
昨年最後のレポートで「現行水準よりも円高水準では、ランド円、トルコ円とも長期的な買いが出てくると見ています」と書いて週初のレポートを締めくくりました。しかし、昨年夏のチャイナショックのようなリスクオフ相場、また他の要因でも大きな動きが出る時には金利差以上の下げが出ることもあることは忘れてはいけません。
昨年も高金利通貨を持ったままですが、どうしたらよいでしょう?といったような質問が寄せられました。年初1回目の月曜レポートでは長期のランド円とトリコリラ円のチャートを見ながらどの程度の変動が過去にあったのかを確認し、高金利通貨だからと言って、買いだけでなく時にはいったんポジションを閉じ、改めて買いを考えることも必要であるという歴史を振り返ってみましょう。
ランド円とトルコリラ円の月足チャート
2015年も年間の変動率はどちらも25%を超え、仮にトルコリラ円の短期金利が10%程度で考えたとしても、買った水準によっては15%以上の含み損を抱えることとなります。過去、主要通貨もですが、特に新興国通貨で大きな変動があったのはリーマンショックの起きた2008年です。
チャートでは、左から2つ目の四角で囲った年となりますが、同年のレンジと変動率をご覧ください。
2008年年間レンジ
ランド円: 7.77 〜 16.41 (値幅8.64円、変動率52.7%)
トルコ円: 52.79 〜 95.59 (値幅42.80円、変動率44.8%)
どちらも40%を超える変動率となっています。リーマンショックは、過去最大のリスクオフ相場のひとつであることは間違いありませんが、100年に1度と言われるような大きな出来事がどう考えても10年に1回は起きていて、その時には新興国通貨はより大きな変動を見ることになります。
高金利通貨だから常に金利差で何とかなるという考えは危険であることがお分かりいただける例だと考えます。
今年何が起きるかは誰にもわかりませんが、米国の緩やかな利上げという線はほぼ確実なところでしょう。そうすると、少なくとも新興国通貨にとっては、上値を抑えやすくなる材料がひとつ増えてしまったことも間違いのないところです。下がったところを丁寧に買う戦略自体は正しいとは言え、今年も慎重に取引を行うことを心掛けたいものです。
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