英国情勢注視、引き続きポンド主導の展開か(12/22夕)

22日の東京市場は、小動き。日米株価などをにらみつつ、103円台前半、20ポイント程度のレンジ取引に終始している。

英国情勢注視、引き続きポンド主導の展開か(12/22夕)

英国情勢注視、引き続きポンド主導の展開か

〇ドル円、103円台前半、103円半ばに届くことなく20ポイント程度のレンジ取引
〇米国、中国当局者への追加的ビザ制限や司法長官のサイバー攻撃に関する発言等、不安定な状況か
〇新型コロナ、変異種の登場とワクチン開発、楽観と悲観が入り混じった一進一退に注視
〇コロナ変異種やEUとの通商交渉の行方等英国情勢への市場筋の関心高い、ポンド主導の展開続くか
〇ドル円、基本的に1円レンジ内での値動き続くとの見方
〇本日、米国7-9月期GDP統計確報値や12月消費者信頼感指数発表
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.10-103.90

<< 東京市場の動き >>

22日の東京市場は、小動き。日米株価などをにらみつつ、103円台前半、20ポイント程度のレンジ取引に終始している。

ドル/円は103.30円前後で寄り付いたのち、ドルが底堅く推移。ただ、上値も重く103円半ばには届くことなく、結局レンジ取引に終始している。日経平均株価が終値ベースで278円安と大きく下落したものの、為替市場の反応はいまひとつで、影響は限定的だった。16時現在では103.40-45円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナの変異種登場」と「米国情勢」について。
前者は、昨日もレポートした「英国でコロナ変異種の感染拡大」をめぐり、欧州を中心に世界中が大混乱。たとえば、アジアでも香港やインドが即座に対応し、英からの渡航制限を発表している。そうしたなか、WHOが「異種の出現はパンデミックの過程で通常見られること」としたうえで、「過度な警戒は不要」と火消しに動いていたものの、素直に信じる向きは少なかったようだ。
対して後者は、米国務長官が「人権侵害に関与した疑い」を理由に、中国当局者に追加的なビザ制限を発表。米中間の対立激化などが懸念されるなか、米司法長官が、米政府機関を標的とした大規模なサイバー攻撃について、ロシアが関与しているとの見方を示すなど、トランプ大統領と矛盾する発言が確認されている。バイデン新政権への移行過程でドタバタが続くなか、国内外とも不安定な状況をたどっていることが改めて明らかに。

<< 欧米市場の見通し >>

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計結果として、新型コロナの感染者が世界全体で7700万人を超えるなど感染拡大が止まらないなか、ここにきて「コロナ変異種」が登場し、新たな問題として大いにクローズアップされている。そして、クリスマスまで数日という状況下、外出自粛制限などの措置を講じる先も少なくない。一方で、ワクチン開発ならびに接種についての報道も相次いでおり、まだしばらくは両者の攻防、楽観と悲観が入り混じった一進一退が注視されそうだ。
米国についても注目要因がまったくないというわけではないが、先の「コロナ変異種」のはじまりは英国。また、「EUとの通商交渉の行方」など、英国情勢への市場筋の関心は高いものがある。本日も英国を中心とした欧州ファクターに要注意で、為替市場においてはポンド主導の展開がいましばらく続く可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円はリスクという意味で下方向への警戒感が引き続き取り沙汰されているものの、17日に示現した安値102.88円で目先の底打ちか。実際、その17日以降はザックリ言って102.90-103.90円という1円レンジを形成している感を否めない。クリスマス前の「薄商い=荒れ相場」にも一応要注意だが、基本的には前述した1円レンジ内での値動きがしばらく続くとの見方が有力だ。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発・接種の状況」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、7-9月期のGDP統計確報値や12月の消費者信頼感指数といった米経済指標が発表される予定となっている。後者の数字もさることながら、前者は速報値や改定値がプラス30%超という好数字を記録していただけに、それらの数値が維持されるのか否かが注視されているようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.10-103.90円。昨日高値を含め、直近だけで少なくとも2度上げ止まっている103.90円レベルが抵抗となりそう。ただ、超えても104円前後には移動平均の21日線が位置するなど、上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、短期的には103.20-30円がサポートとして、意識されている。割り込めば直近安値102.88円がターゲットとなるが、目先一本調子のドル安が進行する展開は見込みにくい。


*ご連絡;誠に恐れ入りますが、24日(木)のクリスマスイヴと25日(金)のクリスマス当日は、主要な欧米市場が休場になりますので、当レポートを休刊とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

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ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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