ドル安基調続くも、調整の動きに要注意(12/18夕)

18日の東京市場は、ドルが小高い。前日には9ヵ月ぶりの安値102円台を示現する局面も見られたが、東京時間には一度も103円台を割り込めなかった。

ドル安基調続くも、調整の動きに要注意(12/18夕)

ドル安基調続くも、調整の動きに要注意

〇ドル円、前日に安値102円台を示現したが、12/18東京時間には103円台割り込まずドルが小高い展開
〇ビットコイン取引、昨日23700ドル台まで上昇、本日も23000ドル挟んだ強保ち合い
〇英EU通商交渉、双方による交渉が実施されたものの道のりは依然険しいか
〇欧州における新型コロナ、マクロン仏大統領の感染やワクチンの承認に向けた検討会前倒しの報道
〇ドル安の流れだが、短期的なポジション調整からドルの一時的な反発を予想する声も聞こえる
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ102.90-103.80

<< 東京市場の動き >>

18日の東京市場は、ドルが小高い。前日には9ヵ月ぶりの安値102円台を示現する局面も見られたが、東京時間には一度も103円台を割り込めなかった。

ドル/円は寄り付いた103.05-10円を日中安値に緩やかな右肩上がり。一時103円半ばまでじり高推移をたどっている。株価などの動きをにらみつつ、週末らしく散発的なポジション調整の動きが観測されていた。ただ、目先高値を示現後は小緩むと103.30円台に。16時現在では103.35-40円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、先日史上初の2万ドル超えを達成した暗号資産(仮想通貨)ビットコインは、依然として売買が活況。昨日は23700ドル台まで上昇し、本日東京も23000ドル挟みでの強保ち合い。

一方、材料的に注視されていたものは、「英EU通商交渉」と「新型コロナ」について。
前者は、双方による交渉が実施され、若干の進展はあったものの、合意までは依然として遠い状況のようだ。実際、ロイターでは、関係者の話として「18日までにまとまる可能性は乏しい」と指摘したうえで、「漁業権をめぐり交渉担当者間の隔たりが埋まっていない」と報じていた。また、欧州委員会のフォンデアライエン委員長も、ジョンソン英首相との電話会談後に自身のツイッターで、「漁業権などの相違点を解消するのは非常に困難」との見通しを明らかにしている。そんな交渉は18日も続けられる見通しだが、道のりは依然険しそうだ。

対して後者は、感染拡大の止まらない欧州において、フランスのマクロン大統領のコロナ感染が話題に。一部報道によると、感染したとみられた日以降、国際会議などでスペインのサンチェス首相やミシェルEU大統領らと会談しており、濃厚接触者にあたる2氏ら他国の首脳も隔離に入ることになったという。そうしたなか欧州当局は、当初1月12日としていた米モデルナ製ワクチンの承認に向けた検討会を前倒しし、同6日に実施することを明らかにしている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日103.18円の11月安値を下回っただけでなく、さらに続落すると102円台へ。ドルの下値余地はさらに拡大した感を否めず、少し遠いものの、年初来安値101.19円も薄っすらとだが視界内に入ってきた。ただ、本日は週末金曜日と言うこともあり、下値トライも一服か。流れそのものに変化はないものの、短期的なポジション調整から、ドルの一時的な反発を予想する声もある。
クリスマスまで残り10日を切り、市場参加者はさらに減退する見込み。しかし、暗号資産ビットコインのように一部の金融市場は薄商いのなか活況を呈しているものもある。為替に関しても、今年は「薄商い=荒れ模様」という認識でリスク管理をしっかりと行いたい。また、ドル/円の動きもさることながら、材料的には欧州そして英国情勢も気掛かり。ポンドの動きにも要注意だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は過去1ヵ月程度維持していたレンジ下限103.66円に続き11月安値103.18円も下回ると、102円台へ。足もとは調整の動きなどから103円台を回復しているものの、流れそのものは引き続きドル安方向か。昨日筆者は、「年末までに今年のドル最安値、3月に記録した101.19円を更新する局面は果たして訪れるのだろうか」−−とやや懐疑的にレポートしたが、昨日までの動きからすると、その可能性は存外高い気もしないではない。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発・接種の状況」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、7-9月期の経常収支や11月の景気先行指数といった米経済指標が発表される予定となっている。従来ならば、注目度が極めて高いという指標ではないが、昨日の雇用指標など、今週発表される米経済指標は冴えない内容が多かっただけに、その内容を警戒する声は少なくないようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは102.90-103.80円。短期的には東京高値の103円に半ばが弱い抵抗に。超えれば、前回高値103.91円がターゲットとなりそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日示現した安値102.88円をめぐる攻防に注目。ただ、割り込んだ場合、下方向のサポートは乏しいこともあり、なし崩し的なドル安が進行する可能性もないではない。

ドル安基調続くも、調整の動きに要注意

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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