来週の為替相場見通し:『ドル円は一時102円台へ。来週もドル売り基調が継続か』(12/19朝)

ドル円は、104円台で上値の重さを確認すると、週後半にかけて約9ヵ月ぶり安値となる102.88まで急落しました。

来週の為替相場見通し:『ドル円は一時102円台へ。来週もドル売り基調が継続か』(12/19朝)

ドル円は一時102円台へ。来週もドル売り基調が継続か

〇ドル円週初104.15まで上昇の後週後半にかけ一時102.88まで急落
〇米指標の不冴え、FOMCガイダンス変更による米金融緩和長期化観測等が背景
〇ユーロドル一時2年8か月ぶり高値1.2274を示現
〇ドル円目先は3月安値101.19トライが視野に
〇コロナ感染拡大、為替報告書のドル過大評価指摘もドル売り材料
〇クリスマス休暇入りで流動性が低下する中、フラッシュクラッシュに要警戒
〇来週の予想レンジ(USDJPY):102.00ー104.50

今週のレビュー(12/14−12/18)

<ドル円相場>
今週のドル円相場は、週初104.00で寄り付いた後、翌12/15に週間高値104.15まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、@欧米株の上昇を背景としたリスク選好のドル売り圧力や、A新型コロナウイルスの感染拡大(米国での入院者数が過去最多を更新。日本ではGoTo停止など日本経済の先行きに暗雲→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、B米経済指標の冴えない結果(米12月ニューヨーク連銀製造業景況指数、米12月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、米新規失業保険申請件数など)、

C対欧州通貨でのドル売り圧力(英EU交渉の進展期待→英ポンドやユーロが対ドルで上昇)、D米FOMCにてフォワードガイダンスが強化されたことに伴う米金融緩和の長期化観測(※)、E半年に一度の為替報告書にてベトナムやスイスを為替操作国に認定すると共に、米ドルの過大評価が指摘されたこと、F直近安値103.17や心理的節目103.00を割り込んだことに伴うロスカットが重石となり、週後半にかけて、3/10以来、約9ヵ月ぶり安値となる102.88まで急落しました。週末にかけて持ち直すも戻りは鈍く、結局103.31での越週となっております。

※米FRBは、12/15ー12/16にFOMCを開催。@FF金利誘導目標の据え置き(0.00%ー0.25%)、Aフォワードガイダンスの強化(資産買い入れ期間について、従来までの「今後数ヶ月」との表記から、「完全雇用と物価安定に近づくまで継続=until substantial further progress has been made toward the Committee’s maximum employment and price stability goals」に変更→金融緩和の長期化期待)、B経済成長率見通しの上方修正(2020年は前回の▲3.7%から▲2.4%へ上方修正、2021年は前回の4.0%から4.2%へ上方修正、2022年は前回の3.0%から3.2%へ上方修正)を決定。

一部で予想されていた追加緩和(買い入れ額の拡大等)が見送られたことで、直後の反応は米長期金利上昇→ドル高でしたが、一巡後は上記Aが意識される形でドル全面安の展開に繋がりました。

<ユーロドル相場>
今週のユーロドル相場は、週初1.2131で寄り付いた後、早々に週間安値1.2115まで下落しました。しかし、一目均衡表転換線に続落を阻まると、@英EU交渉の継続を好感した英ポンドの急伸(ユーロ連れ高)や、Aユーロ圏経済指標の力強い結果(ユーロ圏10月鉱工業生産や、ユーロ圏12月製造業PMI、ユーロ圏12月サービス業PMIなど)、B欧米株の上昇を背景としたリスク選好のドル売り圧力、C米経済指標の冴えない結果(ドル売り)、D米金融緩和の長期化観測(FOMCでのフォワードガイダンス強化)が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値1.2274(2018年4月以来、約2年8ヵ月ぶり高値)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局1.2254での越週となっております。

来週の見通し(12/21−12/25)

<ドル円相場>
ドル円は、104円台で上値の重さを確認すると、週後半にかけて約9ヵ月ぶり安値となる102.88まで急落しました。日足・週足共に、強い売りシグナル(一目均衡表三役逆転+移動平均線のパーフェクトオーダー)が点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いの弱さが確認できます(ドル売り基調の継続)。目先は、本年3月のコロナショック時に記録した年初来安値101.19トライが視野に入ります。

ファンダメンタルズ的に見ても、米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(米新規失業保険申請件数が一段と増加。米雇用情勢の悪化に懸念)や、新型コロナウイルスの感染拡大(新型コロナワクチンに関する楽観的な見方の後退)、米金融緩和の長期化観測(フォワードガイダンスの強化)、為替報告書における米ドル過大評価に対する指摘など、ドル全面安の流れの継続を想起させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(来週はクリスマス休暇入りで市場流動性が極端に乏しくなるため、フラッシュクラッシュの発生に警戒が必要。株式市場がクリスマスや年末を前に調整すれば、クロス円下落→ドル円連れ安の波及経路にも注意)。

来週の予想レンジ(USDJPY):102.00ー104.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円は一時102円台へ。来週もドル売り基調が継続か

ドル円日足

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