レンジ下限割れはダマシ!? 次の一手を注視(12/15夕)

15日の東京市場は、ドルが小じっかり。前日NY時間に回復した104円台をほぼ下回ることはなく、全般を通じて底堅い値動きをたどっている。

レンジ下限割れはダマシ!? 次の一手を注視(12/15夕)

レンジ下限割れはダマシ!? 次の一手を注視

〇ドル円、104円台をほぼ下回ることはなく、ドルが小じっかりの展開
〇新型コロナ、米国でワクチン接種開始、英国では厳格な制限段階への移行表明
〇米大統領選、選挙人による投票にてバイデン氏が選挙人の過半数獲得、名実ともに米大統領選勝利が確定
〇クリスマスモードで市場動意は大きくないが、英EU通商交渉や米国2021年度予算案の最終的な結果注視
〇本日発表の米経済指標、今日から明日にかけて開催の米FOMCに注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.60-104.40

<< 東京市場の動き >>

15日の東京市場は、ドルが小じっかり。前日NY時間に回復した104円台をほぼ下回ることはなく、全般を通じて底堅い値動きをたどっている。

ドル/円は104.05円前後でオープンしたのち、103.95円レベルへと小幅に軟化するも、同水準が本日の安値圏に。ドルは下げ止まると反発に転じ、再び104円台を回復した。104.15円前後まで続伸したのち強保ち合い。16時現在では104.05-10円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米大統領選」について。
前者は、新型コロナウイルスの感染拡大が依然として止まらず、実際に米ジョンズ・ホプキンス大学の集計で「米国の累積死者数が30万人を超えた」と発表されている。そうしたなか、米国で新型コロナワクチンの接種が14日から始まっており、その効果が強く期待されていることは間違いない。ただし、一足早く接種が開始された英国においては、ハンコック保健相が、14日に「ロンドンはもっとも厳格な制限段階に移行する」と改めて表明するなど、さすがに一朝一夕で劇的な改善とはなっていないようだ。米国においても厳しい状況は、まだしばらく続く可能性がある。

対して後者は、注目の「全米50州と首都ワシントンで選挙人による投票」において、バイデン氏が選挙人の過半数を獲得。これで名実ともに、米大統領選勝利が確定したことになる。先週末の「米連邦最高裁が、トランプ陣営による『激戦4州の結果の無効化を求めた訴え』を退ける判決を下した」ことに続くもので、依然として敗北を認めないトランプ米大統領だが、さすがに打つ手は少しずつ限られてきた感を否めない。なお、選挙人の過半数獲得という結果を受けたバイデン氏から、改めて勝利宣言が聞かれている。

<< 欧米市場の見通し >>

クリスマスを目前に控えていることもあってか、市場動意はそれほど大きくないものの、ドル/円は昨日103円半ばまで下落し、過去1ヵ月近くに及ぶレンジの下限(103.66円)を割り込んできた。下値リスクが多少なりとも高まった感を否めないが、そののち本日の東京などでは一時104円台に回帰するなど、「ダマシ」の可能性を疑う声も少なくないようだ。成り行きを見守りたい。
様々な出来事について、市場は楽観と悲観を繰り返しており、なかなか見極めが難しい状況とになっている。例えば総額1兆4000億ドルの2021年度予算案についても、米与野党で協議を行ったうえで「合意は間近」と言われつつ、結局合意そのものには至らなかった。また、英EU通商交渉も、まさにそう。結論が先送りされたまま、両サイドにらみの宙ぶらりん状態が目先は続きそうだが、クリスマスモードで取引が薄くなりつつあるだけに、最終的な結果如何で相場が想像以上に荒っぽい展開をたどる可能性も否定できない。

テクニカルに見た場合、前述したようにドル/円は昨日レンジ下限を一時的に割り込むも、そののち回帰。したがって、レンジブレークを達成したのか否かは微妙な状況だ。「ダマシ」あるいは下値トライが失敗に終わった可能性もある。いずれにしても、次の一手が注視されており、下値再トライとなれば、11月安値の103.18円をターゲットとした値動きを予想する声が優勢だ。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発・接種の状況」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、12月のNY連銀製造業景気指数や11月の工業生産指数といった米経済指標が発表されるうえ、今日から明日にかけて注目の米FOMCが開催される見込みだ。基本的には、それらにらみの展開か。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.60-104.40円。昨日もドルの上値を抑制していた104.15-20円まで値を下げている移動平均の21日線をめぐる攻防にまずは注目。上抜けると104.58円やレンジ上限の104.76円などが引き続き意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日示現した安値103.52円がサポートとして意識されている。割り込むようだと11月安値103.18円がターゲットか。

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ドル円日足


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