依然コロナ関連報道などが相場の波乱要因か(11/24夕)

24日の東京市場は、ドルが小安い。前日、予想外ともいえる1円近いドル高進行をたどったことで、その調整ともいえる動きが先行した。

依然コロナ関連報道などが相場の波乱要因か(11/24夕)

依然コロナ関連報道などが相場の波乱要因か

〇ドル円、前日欧米時間の1円近いドル高進行の調整ともいえる、ドルが小安い動き
〇NZドル、対ドルで年初来高値更新、対円でも同高値に迫る局面が観測される
〇英国関連、EUとの通商交渉関連や新型コロナに関する報道相次ぐ
〇新型コロナ感染拡大とワクチン開発、株価に与える影響など続報に引き続き注意
〇本日発表の米経済指標、昨日に続き好数字への期待も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.00-105.00

<< 東京市場の動き >>

24日の東京市場は、ドルが小安い。前日、予想外ともいえる1円近いドル高進行をたどったことで、その調整ともいえる動きが先行した。

ドル/円は104.45-50円で寄り付いたのち、日中高値である104.65円レベルを示現。しかし、終値ベースで600円を超える上昇を記録した日経平均株価などを横目ににらみつつ、ジワリと円買いが優勢に。104.35円前後へと小緩むと、16時現在でも日中安値圏で推移、欧米時間を迎えている。
なお、ロバートソンNZ財務相が、住宅価格の安定化に資する手段について中銀に助言を求めたことを明らかにしたNZドルが好感されると堅調裡。対ドルでは年初来高値を更新、対円でも同高値に迫る局面が観測されていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米大統領選と新政権の閣僚人事」について。
前者は、先週ブルームバーグが「日時は決まっていないが23日にも交渉打開を発表する可能性」−−などと報じたことで、EUとの通商交渉進展期待が高まったものの、結果は不発。実際、バルニエEU主席交渉官からは「英との通商協議にまだ大きな相違」などとした発言が聞かれていた。またそれとは別に、新型コロナに関し、ジョンソン英首相が感染拡大を受けて再導入したロックダウン(都市封鎖)を12月初旬に終了させる旨を発表するなか、英製薬大手アストラゼネカは、共同開発中の新型コロナウイルスワクチンが、最終段階治験で平均70%の効果を示したと発表し、有効なワクチン開発にメドが立ったことを明らかにしている。

対して後者は、米大統領選で勝利を確実にしたバイデン前副大統領の政権移行チームが、新政権の国務長官にブリンケン元国務副長官を起用すると正式に発表。また、ロイターなど複数メディアは「バイデン氏、米次期財務長官にイエレン前FRB議長を起用」などと報じている。そうしたなか、依然として敗北を認めないトランプ米大統領だが、米連邦政府の一般調達局のマーフィー長官はバイデン前副大統領に書簡を送り、政権移行のプロセスを正式に開始できると通知したと伝えられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日の東京時間は20ポイント程度の変動に過ぎなかったが、欧米時間にドルは急騰。結局ドル/円は1円近い変動となった。筆者は「今年の為替市場は、東京が休場になる際、大きく動くことも少なくなかった」−−と指摘したが、まさにアノマリー通りに動いた格好と言えよう。このあと、週末にかけて今度は東京でなくNYが休場となるなか、同様の荒っぽい動きには引き続き注意する必要があるのかもしれない。
そうしたなか、材料的に注視されているものは、引き続き新型コロナの感染拡大とワクチン開発について。前者はさておき、後者については昨日も英製薬大手アストラゼネカによる治験結果が相場で好感されていたことは間違いない。一方で、WHOの主任科学者であるスワミナサン氏が「ワクチンの有効性と安全性の確認を待つべき」と楽観論を戒めるなど、期待ばかりが先行している感も否めないが、引き続き株価に与える影響とともに続報などに注意を払いたいところだ。

テクニカルに見た場合、昨日ドルは予想以上の急伸となり、短期抵抗の104.21円だけでなく、移動平均の21日線が位置する104円半ばも一時超えてきた。後者については、まだ「しっかり」と越えてきたとは言えないだけに、予断は許さないものの、下方向のリスクが軽減し、ドル安トライも仕切り直しになったことは間違いない。これまでの抵抗だった、前述104.21円を今度はサポートに、ドルは底堅く推移するといった見方も聞かれている。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「法廷闘争の可能性も高まってきた米大統領選」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、11月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数などの米経済指標が発表される予定となっている。昨日は、発表された米製造業PMIなどが好数字となり、ドル買い材料のひとつになっていただけに、本日の指標に対しても好数字を期待する向きが少なくない。また、黒田日銀総裁やウィリアムズNY連銀総裁などによる講演やイベント参加が予定されており、そちらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.00-105.00円。昨日高値の104.64円が最初の抵抗。超えれば105円台回復も視界内に。
対するドル安・円高方向は、昨日上抜いてきたこれまでの抵抗104.20円レベルをめぐる攻防にまずは注目。再び割り込むようだと上方向の動きはダマシ。104円を割り込むような展開となる可能性もある。

依然コロナ関連報道などが相場の波乱要因か

ドル円日足


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