米株など注視しつつ週末調整の動きにも注意(11/20夕)

20日の東京市場は、ドルが底堅い。ただ、上値も重く、終日を通したレンジは20ポイント強にとどまった。

米株など注視しつつ週末調整の動きにも注意(11/20夕)

米株など注視しつつ週末調整の動きにも注意

〇ドル円、終日を通したレンジは20ポイント強、底堅いが上値も重い印象
〇東京都の新型コロナ新規感染者数、2日続けて500人超え
〇トルコリラ、中銀の政策金利引き上げを好感、対円・ドルで直近の戻り高値を更新
〇新型コロナ、感染拡大とワクチン開発の綱引き商状、いましばらく続きそうな様相
〇株価が底堅く推移すれば、為替市場においてもドル買いが再び強まる可能性も
〇本日、欧米要人による講演などの発言機会に注視
〇欧米時間の予想レンジ103.40-104.20

<< 東京市場の動き >>

20日の東京市場は、ドルが底堅い。ただ、上値も重く、終日を通したレンジは20ポイント強にとどまった。

ドル/円は103.70-75円で寄り付いたものの、積極的な動意に乏しい。東京は明日から3連休を迎えるということで、ポジション調整などを期待する声も聞かれたが、結果としては不発に終わっている。
なお、終盤にかけて東京都の新規感染者は522人となり、過去最多更新とはならなかったが、それでも2日続けての500人超えで、わずかながらリスク志向の動きも。16時現在では103.75-80円で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「トルコ情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、中銀総裁らが交代し新体制となったトルコ中銀が政策金利発表を行い、政策金利を475bp引き上げて15.00%としている。ほぼ予想通りの内容だったようにも思うが、それでも市場は利上げを素直に好感、リラ買いが優勢になると、対円やドルで直近の戻り高値を更新した。対円では14円レベルが抵抗として意識されている感もあるものの、市場は新体制への期待感も根強く、上昇傾向は続くとの見方も少なくないようだ。
対して後者は、米ファイザーなどにやや遅れる格好ながら、英の製薬大手アストラゼネカが「開発中のコロナワクチン、高齢者に強い免疫効果をもたらすことがわかった」と表明し、市場では新型コロナに対する楽観的な声も。しかし、そののちバルニエ首席交渉官が「担当者のコロナ陽性反応確認で英通商交渉を一時停止する」と発表したことが嫌気され、結局影響は相殺されている。なお、後者である「英EU通商交渉」については、英紙テレグラフが「23日に合意を発表する」などと報じ、物議を醸す一面もあった。

<< 欧米市場の見通し >>

カレンダー的にはすでに11月も後半。本邦勢は明日から3連休を迎えることになるうえ、米国も来週サンクスギビングデーで市場が休場となるなど、金融市場はジワリとクリスマスあるいは年末・年始を視野に入れ始めてきた。今年は依然としてコロナ禍ということで、クリスマス商戦などは例年とは異なる様相を示しているが、金融市場は果たして如何に?通常であれば、利益確定の動きなどに注意すべき時間帯に入りつつあるのだが・・・・・・。
そうしたなか、材料的に注視されているものは、新型コロナの感染拡大とワクチン開発。両者の綱引き商状はいましばらく続きそうだ。ただ、恐怖指数ともいわれるVIX指数がここ最近落ち着きを取り戻すなど、NYダウなど米株の短期的な急落は予想しにくくなった。株価が底堅く推移すれば、為替市場においてもリスク志向からドル買いが再び強まる可能性もある。

テクニカルに見た場合、18日以降というごく短期に目を向ければ、103.66-104.21円というわずか55ポイントレンジにとどまっている。昨日から本日東京の動きを見ても、ドルは底堅いが上値も重いという印象だ。このあとの動意で、さすがに前述55ポイントレンジからは外れそうだが、それでも大きく逸脱することはなさそう。基本的に狭いボックス内での取引はつづくと予想する向きがあるようだ。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「法廷闘争の可能性も高まってきた米大統領選」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、目立った米経済指標の発表が見当たらないものの、引き続き通貨当局者など欧米要人による講演などの発言機会は目白押し。また、オンライン形式でAPEC首脳会議やG20財務相会議が実施される予定となっており、こちらにも注意を払いたい。うち、たとえばAPECにはトランプ米大統領が2017年以来の参加する見込みとされており、どんなコメントを発するのか注視している向きも多いようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.40-104.20円。昨日示現したドル高値104.21円が最初の抵抗。超えれば104.30-40円、そして移動平均の21日線が位置する104.50-55円が次のターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、昨日も下げ止まった安値103.65-70円をめぐる攻防にまずは注視。割り込むようだと、前回安値103.18円が視界内に捉えられそうだ。

米株など注視しつつ週末調整の動きにも注意

ドル円日足



注:ポイント要約は編集部

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